【2019年】激変する日本株市場!「攻める株主」がESG投資と連動し企業価値向上を加速させる

2019年6月下旬、日本の株主総会シーズンがピークを迎え、例年以上に緊張感が高まっている状況です。その中でも、特に海外にも大きな衝撃を与えたのが、2019年6月25日のLIXILグループの株主総会でしょう。この総会では、会社側提案ではなく株主側提案が勝利するという歴史的な出来事が発生しました。これは、単なる一企業の出来事にとどまらず、長らく進められてきたコーポレートガバナンス(企業統治)の改革が、世界的なESG投資熱と連動し、日本株の価値を大きく高めるきっかけになる可能性を示唆しています。

このLIXILの総会の結果は、海外投資家の間で「日本でもいよいよ株主の声が力を持ち始めたという重要なメッセージ」として受け止められています。実際、英アセット・バリュー・インベスターズは、この動きが海外投資家による日本株投資を強く後押しするとコメントしているのです。一方で、米ユーソニアン・インベストメンツは、「経営者はまだ事業のつながりが深い『与党株主』に守られている面がある」と指摘しつつも、成績不振の経営者を株主が変えられるようになれば、それは「日本経済全体の利益になる」と述べ、今回の動きを極めて前向きに評価しています。

LIXILグループの株価は、この歴史的総会の翌日、2019年6月26日の東京市場で一時、前日比19%高という急騰を見せました。これは、今回の株主側勝利が市場に与えた衝撃の大きさを雄弁に物語っています。これまでも日本の企業統治は、株主総会を起点として着実に変化を遂げてきた経緯があります。例えば、2002年の東京スタイルでの委任状争奪戦では、企業が多額の現預金を溜め込むことの是非が問われました。

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👀 株主総会が切り拓いた日本の企業統治改革

さらに2005年には、東京エレクトロンやファナックの総会で買収防衛策の議案が株主によって否決され、経営者の**「保身」に対する監視の目が厳しくなりました。買収防衛策とは、企業が敵対的な買収者から支配権を奪われることを防ぐために事前に導入する一連の措置のことです。また、2010年のKDDIでは社外取締役の独立性が問題視され、取締役会改革の機運が一気に高まりました。これらの総会での動きは全て、経営者が常にその能力と業績を株主から厳しく問われるような統治体制へと日本企業を変化させる後押しをしてきたと言えるでしょう。

そして今回のLIXILのケースは、これまで経営者の強大な力の源泉であった人事権に、いよいよ株主がメスを入れたという点で画期的です。創業家の潮田洋一郎氏が実質的に掌握していた人事権に対し、「透明性がない」と判断した株主が「ノー」を突きつけた形です。この動きの背景には、2018年6月に改訂された「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」の影響も大きいと考えられます。この指針では、企業のトップ(最高経営責任者)を選任し、場合によっては解任する役割が、取締役会にあることが明確に示されました。

ある有識者は、トップの人事権について「コードの力、そして資本の力で強引に断つ」ことの重要性を指摘しています。すなわち、ルールと株主の力が、強力な経営者の権限にストップをかけられるようになったということです。また、この改革を後押ししているのが、ESG投資を巡るグローバルなマネーの流れです。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取ったもので、これらの要素を考慮して行う投資のことです。

📈 ESG投資との好循環が日本株の魅力を高める

ESG投資は、長期的な視点で見れば、企業が抱えるリスクを抑制し、安定したリターンをもたらすと喧伝されてきました。そして、その実績も徐々に現れ始めています。例えば、三井住友DSアセットマネジメントの「日本株式ESGファンド」は、2018年2月の設定以来の基準価格がマイナス5%となっており、同期間の東証株価指数(TOPIX、配当込み)のマイナス10%を大きく上回る好成績を記録しているのです。このファンドの肝は、ESG評価で業種内のトップ企業だけを選ぶのではなく、むしろ改善の余地がある銘柄を選定している点にあります。

投資家向け広報(IR)を支援するジェイ・ユーラス・アイアールの岩田宜子代表は、「日本株の人気がどんどんなくなっている」と警鐘を鳴らしています。IRの現場では、「積極的に魅力を訴える香港や中国の企業には太刀打ちできない」と感じているからです。確かに成長性という点では、アジアの新興企業に見劣りする局面もあるかもしれません。しかし、日本の株価を再び市場の主役に押し上げる可能性を秘めているのが、この企業統治の改善です。

統治が改善されることで、企業の収益力や株主への還元力が高まれば、海外投資家をはじめとする全ての投資家にとって、日本株は再び魅力的な「買う理由」になり得るでしょう。今回のLIXILの件は、まさにその企業統治の改善とESG投資という二つの潮流が、日本株に好循環を生み出し始めている**ことを強く印象づける出来事なのです。私自身の意見としても、市場の緊張感が高まり、株主の声が経営に反映されることは、日本企業の活性化、ひいては日本経済全体の底上げに繋がる、極めて健全な発展であると確信しています。

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