世界中の投資家が固唾を呑んで見守る中、ソフトバンクグループが再び巨大な一手を投じました。2019年09月04日、同社は「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の第2号を設立することを発表し、人工知能(AI)特化型の新興企業への投資をさらに加速させる方針を固めています。第1号と合わせた運用規模は22兆円という、もはや国家予算レベルの巨額マネーに達しており、民間投資の枠組みを大きく超えた存在へと進化を遂げようとしています。
今回のファンドがターゲットとするのは、AI、つまりコンピューターに人間のような学習や判断能力を持たせる技術を核とする企業群です。膨大なデータを解析して未来を予測するこの技術は、あらゆる産業の形を根本から変える可能性を秘めています。市場全体におけるAI投資の約3割をソフトバンクグループが占めるという驚異的なシェアは、孫正義会長の圧倒的な先見性と、成長を取り込もうとする執念の現れだと言えるでしょう。
SNS上では、このあまりに巨大な投資規模に対して「日本の企業が世界を買い換える勢いだ」と期待を寄せる声が目立ちます。その一方で、特定の企業が市場を独占することへの警戒心や、投資スピードの速さに驚愕するコメントも後を絶ちません。孫氏のカリスマ性に惹かれるファンが多い半面、その資金力がスタートアップ企業の価値を不自然に釣り上げているのではないかという、市場の歪みを懸念する冷静な分析も散見されます。
即断即決の「孫スタイル」が孕むリスクと上場後の厳しい現実
孫正義氏の投資スタイルは、数十分の面談で数千億円の出資を決めるという「即断即決」が代名詞となっています。このスピード感こそがソフトバンクの強みですが、現場からは「投資ありき」で精査が疎かになっているのではないかという危惧も聞こえてきます。十分な調査なしに巨額の資金が流入することで、企業の実力以上に期待値だけが膨らむ「バブル状態」を作り出してしまう可能性は否定できません。
実際に、ビジョン・ファンドが支援してきた企業が上場を果たした際、公開後の株価が低迷するという苦い事例も表面化しています。未上場の段階で高い評価を得ていても、いざ株式市場という荒波に揉まれると、収益性の低さが露呈してしまうケースが少なくありません。投資家たちは、派手なビジョンだけでなく、着実なキャッシュフローを生み出せるかという点について、以前よりも厳しい視線を向けるようになっているようです。
私自身の見解としては、孫氏の挑戦は日本経済にとって大きな刺激であると感じる一方で、AIという魔法の言葉に踊らされすぎないバランス感覚が必要だと考えます。テクノロジーが社会を豊かにするのは事実ですが、実態のない企業価値の膨張は、最終的に市場全体を冷え込ませるリスクを伴います。22兆円という莫大な資金が、真に革新的な技術の育成に使われるのか、あるいは単なるマネーゲームに終わるのか、今が正念場ではないでしょうか。
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