中国のインターネット業界において、一つの巨大な時代の節目が訪れました。2019年09月11日、アリババグループの創業者である馬雲(ジャック・マー)氏が、ついに会長の職を退くこととなったのです。このニュースは世界中を駆け巡り、SNS上でも「一つの時代が終わった」「彼のカリスマ性が恋しくなる」といった惜しむ声が次々と投稿されています。
ジャック・マー氏は、ただの経営者ではありません。中国という広大な市場に電子商取引の種をまき、人々の生活様式を根底から覆した革命児といえるでしょう。彼が築き上げたアリババは、今や世界屈指の巨大企業へと成長を遂げました。この退任劇は、彼個人だけでなく、中国のネット経済全体が次なるステージへ移行することを予感させる出来事です。
ソフトバンクグループを支える「13兆円」の含み益と強固な連携
アリババの成長と切っても切り離せないのが、孫正義氏率いるソフトバンクグループの存在です。両社の歩みは、2000年にソフトバンクが2000万ドルを投資したことから始まりました。この初期の決断が実を結び、現在、ソフトバンクグループはアリババ株の約26%を保有する筆頭株主としての地位を確立しています。
驚くべきは、その資産価値の大きさでしょう。2019年09月11日時点において、ソフトバンクグループが抱えるアリババ株の含み益は、なんと約13兆円にも達しています。含み益とは、購入した時の価格よりも現在の市場価値が上がっていることによる「未実現の利益」を指す言葉です。この莫大な資産が、ソフトバンクのさらなる挑戦を支える土台となっています。
現在、ソフトバンクグループは単なる通信会社から、世界中のAI関連企業へ資金を投じる「投資会社」へと変貌を遂げました。彼らがアグレッシブに攻めの姿勢を貫けるのは、アリババという最強の「担保」があるからに他なりません。いわば、アリババの株価が、孫氏の描く未来への挑戦権を保証しているような状況なのです。
ジャック・マー氏退任がもたらす、両社のパートナーシップの行方
孫正義氏とジャック・マー氏の間には、ビジネスを超えた深い信頼関係があることで知られています。ジャック・マー氏が第一線を退くことで、これまで蜜月だった両社の関係性にどのような変化が生じるのか、投資家たちの視線は非常に鋭くなっています。SNSでは「孫氏の右腕がいなくなるのは痛手ではないか」と懸念する声も散見されます。
私自身の見解としては、ジャック・マー氏が会長を退いても、両社の協力体制がすぐに崩れることはないと考えています。なぜなら、ソフトバンクグループが進めるAI戦略において、アリババは技術的にも資本的にも中核を成すパートナーだからです。むしろ、新しいリーダーシップの下で、より組織的な連携が強化される可能性も秘めているのではないでしょうか。
2019年09月11日という日は、カリスマによる統治から組織による運営へと、アリババが脱皮を図る記念すべき日として記憶されるでしょう。ジャック・マー氏という巨星が去った後の空を、孫正義氏がどう見つめ、次の一手を打つのか。世界のテクノロジー業界の未来を占う上で、これほど興味深いドラマは他にありません。
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