2018年6月に住宅宿泊事業法、いわゆる「民泊新法」が施行されてから、2019年06月までの約1年間が経過しました。北海道庁がまとめた実績調査によると、この期間中に道内の民泊を利用した宿泊者数は延べ約21万8000人に達したことが判明しています。この数字は、新しい宿泊の形が着実に地域へ浸透している証左といえるでしょう。
特筆すべき点は、宿泊エリアが札幌市内に極端に集中している事実です。全宿泊者のうち8割以上が札幌市に滞在しており、都市部における利便性の高さが反映されました。一方で、地方都市や観光景勝地での普及は、今後の大きな課題として浮き彫りになっています。特定のエリアに需要が偏る現状は、地域経済の活性化という観点から見ると、伸び代がまだ残されている状態です。
利用者の内訳を詳しく分析すると、全体の約83%を訪日外国人観光客が占めている実態が見えてきます。特に中国や韓国、台湾といったアジア圏からの旅行者が大半を占めており、インバウンド需要の力強さを改めて印象付けました。大人数で宿泊でき、暮らすように旅ができる民泊のスタイルは、家族連れやグループ旅行を好むアジアの方々のニーズに合致したのでしょう。
ここで言う「民泊新法」とは、これまで不透明だった一般住宅への宿泊提供を、国への届け出によって合法的に認める制度のことです。これにより、騒音トラブルやゴミ出しルールといった懸念材料の解消が期待されています。SNS上では「ホテルが満室でも選択肢が増えて助かる」というポジティブな声がある一方、「近隣住民への配慮を徹底してほしい」という慎重な意見も飛び交っています。
編集者の視点から申し上げますと、この偏りは札幌というブランドの強さを示すと同時に、地方の「体験型コンテンツ」の発信不足を物語っているように感じます。2019年09月11日時点の状況を鑑みれば、今後は地方ならではの古民家活用などを推進し、札幌一極集中から分散型の観光モデルへ移行することが、北海道観光の質をさらに高める鍵となるはずです。
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