2019年09月13日現在、日本のショッピングシーンに大きな地殻変動が起きています。それは、メーカーが仲介業者を通さずに消費者に直接商品を届ける「D2C(Direct to Consumer)」という新たなビジネスモデルの急拡大です。この流れは、これまでインターネット通販の覇者として君臨してきた巨大プラットフォームを脅かす可能性を秘めています。もし企業が自前で顧客とつながりを持てば、大手サイトを経由する必要がなくなるため、業界には緊張感が走っているのです。
こうした状況をSNSで覗いてみると、「お気に入りのブランドから直接買えるのは安心感がある」といった好意的な意見が目立ちます。その一方で、「ポイント還元や配送スピードを考えると、やっぱり大手サイトが便利」という根強い支持も共存しており、消費者の選択肢はかつてないほど多様化しているようです。専門用語である「D2C」は、単なる直販という意味に留まらず、ブランドの世界観をSNSなどで直接伝え、顧客と深い絆を築く手法として、今まさに注目を集めています。
楽天とアマゾンが仕掛ける「物流」と「海外」の次なる一手
この危機感に対し、国内EC大手の楽天は強気な姿勢を崩していません。三木谷浩史会長兼社長は、EC事業のさらなる進化に向けて積極的な投資を継続することを明言されました。具体的には、今後10年あまりで約2,000億円という巨額の資金を投じ、自社物流網の整備を急ピッチで進める計画です。2019年09月13日時点の展望では、千葉県などに巨大な物流施設を構え、2021年までには配送の約半分を自社で完結させる体制を目指しています。
一方、アマゾンジャパンも負けてはいません。彼らが注力しているのは、出品企業の海外進出を全面的にバックアップする仕組みです。2018年に開始されたこのサービスは、企業がアマゾンの倉庫に商品を預けるだけで、煩雑な通関手続きや代金回収を代行してもらえるという画期的な内容となっています。ジャスパー・チャン社長は、日本の企業が手軽に世界市場へアクセスできる機会を提供することに、大きな価値を見出しているようです。
編集者の視点から言えば、この大手二社の動きは、単なる「場所貸し」からの脱却を意味していると感じます。D2Cという波が押し寄せる中で、配送スピードや海外販路といった、個別の企業では維持が難しい「インフラ」を提供することで、自らの存在意義を再定義しようとしているのでしょう。もはやECサイトは商品を探す場所ではなく、企業のビジネスを加速させる強力なパートナーへと進化を遂げようとしているのではないでしょうか。
CtoCや専業サイトの台頭がもたらすEC市場の戦国時代
しかし、戦う相手はD2Cだけではありません。個人間で不用品などを売買する「CtoC(Consumer to Consumer)」の代表格であるメルカリの躍進も目覚ましいものがあります。2019年06月期の国内流通総額は4,902億円に達し、前年比で4割を超える驚異的な成長を遂げました。さらに、2019年09月12日にはヤフーがZOZOへのTOB(株式公開買い付け)を発表し、ファッション分野の強化に乗り出すなど、業界の再編は加速の一途を辿っています。
日本におけるEC化率、つまり全商取引に占めるネット通販の割合は、現時点で約6%に留まっています。これは20%前後に達している中国や英国と比較すると非常に低い数値であり、裏を返せば、これから開拓できる市場が膨大に残されていることを示唆しているでしょう。特定のプラットフォームが市場を独占するのではなく、多様なサービスが競い合う現在の状況は、消費者にとってもより良い買い物体験につながるはずです。
私たちは今、インターネット通販が「当たり前」から「より深化する」フェーズへの転換点に立ち会っています。物流網の整備や海外販売の容易化は、私たちの生活をさらに豊かにしてくれるに違いありません。多様化するニーズに対して、各プレイヤーがどのような驚きを提供してくれるのか、今後の展開から目が離せません。この記事を読んでいる皆さんも、次にクリックするその一回が、日本の経済を動かす大きな潮流の一部であることを感じてみてはいかがでしょうか。
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