地方交通の未来を問う!両備グループが「路線バス参入訴訟」で控訴、少子高齢化社会の維持と競争の矛盾とは?

2019年09月12日、岡山市を拠点に公共交通を支える両備グループが、国を相手取った訴訟の第一審判決を不服として、東京高等裁判所に控訴しました。この問題の核心は、既存の路線に低運賃を掲げる新たな事業者が参入することを国が認可したプロセスにあります。両備グループは、こうした認可が地域の交通ネットワークを崩壊させかねないと強く危惧しているのです。

2019年08月30日に下された東京地裁の判決では、原告側に「訴えを起こす法的資格がない」という形式的な理由で、内容の審理に踏み込まない「却下」という極めて厳しい判断が下されました。これを受けて、両備グループの小嶋光信代表は、少子高齢化が進む地方都市において「競争」と「路線の維持」を両立させることは現実的に不可能であると改めて強調しています。

今回の控訴にあたり、小嶋代表は第一審が「時代の変化という本質に目を向けなかった」と指摘しました。かつての経済成長期ならいざ知らず、現代の地方都市で不毛な過当競争が起きれば、採算の取れない不採算路線が真っ先に切り捨てられるリスクがあります。SNS上でも「私たちの生活の足を守ってほしい」「健全な競争は必要だが、共倒れになるのは本末転倒だ」といった切実な声が数多く寄せられています。

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地方公共交通の「持続可能性」を問う戦い

そもそも今回の訴訟は、行政が安易な新規参入を認めることで、長年地域を支えてきた事業者の経営基盤が揺るぎ、結果として公共交通網が崩壊することを防ぐためのものです。ここでの「却下」という判断は、一見すると法的な形式論に過ぎないように見えますが、実態としては地方のインフラをどのように維持していくのかという重大な議論を棚上げにした印象を与えかねません。

私個人の見解としても、過疎化が進む地域において「自由競争」という市場原理のみを優先させることは、公共交通の本質から大きく逸脱していると感じます。交通は単なるビジネスではなく、そこに暮らす人々、特に車を運転できない高齢者や学生にとっての生命線に他なりません。利益が出やすいドル箱路線だけを奪い合う参入が続けば、ネットワーク全体が脆弱になるのは明白な事実です。

2019年09月13日の発表を通じて、両備グループは控訴審で「地方交通の守り手」としての矜持を証明しようとしています。今後は、法廷で「公共性」と「規制のあり方」がより深く議論されることが期待されるでしょう。一企業の利益争いという枠を超え、日本全体の地方政策を占うこの訴訟の行方を、私たちは一市民として、そして利用者として注視していく必要があるのです。

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