晴れの国・岡山が誇る至宝、マスカット・オブ・アレキサンドリアの芳醇な香りが、今年もワイナリーを包み込む季節がやってきました。サッポロビールは2019年09月18日、岡山県赤磐市にある岡山ワイナリーにおいて、この最高級ブドウを使用したワインの「初仕込み」を華やかに開始しました。今年で35年目を迎えるこの伝統的なワイン造りは、地元の期待を一身に背負いながら、新たな一歩を踏み出したのです。
2019年の夏は、ブドウの成長を左右する7月に涼しい日が続いたため、一時は生育の遅れが懸念されていました。しかし、8月から2019年09月にかけては絶好の天候に恵まれ、ブドウたちは太陽の光をたっぷりと浴びて見事に挽回したようです。竹下昌利工場長も、今年のブドウはやや小粒ながら、甘さを示す「糖度」と味を引き締める「酸味」のバランスが絶妙であると、その品質に太鼓判を押しています。
今回の初仕込みでは、岡山市内で収穫されたばかりのアレキ約5トンが大きなタンクへと投入されました。今後は赤磐産なども加わり、最終的な仕込み量は2019年を通じて約13トンに達する見込みとなっています。これはフルボトルに換算すると約8000本分に相当する規模であり、昨年の11トンを上回る収穫量を確保できたことは、ワイン愛好家にとっても非常に喜ばしいニュースといえるでしょう。
ここで注目したいのは、ワイン用語の「初仕込み」です。これはその年に収穫されたブドウを初めて粉砕・除梗し、発酵のプロセスへと進める重要な儀式を指します。SNS上でも「今年もアレキのワインが楽しみ」「岡山のマスカットは香りが別格」といった期待の声が寄せられており、特に岡山特産というブランド力が、消費者の心を強く掴んでいる様子が伺えます。
一方で、ブドウ農家の高齢化や、皮ごと食べられるシャインマスカットへの転作が進むなど、伝統的なアレキの栽培維持には厳しい現実も横たわっています。しかし、こうした逆境の中でも前年以上の量を確保し、最高の一滴を追求するワイナリーの姿勢には、編集部としても深い敬意を表さずにはいられません。効率重視の時代だからこそ、手間暇かかる伝統品種の香りを守り抜く価値は計り知れないものです。
竹下工場長が語るように、この品種の最大の魅力は「気高く官能的な香り」にあります。2019年産のワインも、その持ち味を最大限に引き出した芸術的な仕上がりになることが期待されます。地元の誇りを瓶に詰め込んだこのワインが、私たちの食卓を彩る日はもうすぐそこまで来ています。岡山の風土が育んだ秋の恵みを、グラス一杯に注いで堪能できる日が今から待ち遠しくてなりません。
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