北海道の魂を注いだ「サッポロクラシック」が18年連続増収!地元愛を熱くする地域限定戦略の極意

ビール市場全体が冷え込みを見せる中、北の大地から驚異的な快進撃を続けるブランドをご存じでしょうか。サッポロビールが北海道内限定で展開している「サッポロクラシック」が、2018年まで18年連続で売上増を記録するという金字塔を打ち立てました。この勢いは2019年に入っても衰えを知らず、1月から6月までの販売数量は前年同期比で16%も増加しており、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いを見せています。

1985年に誕生したこのビールは、ブランド担当の田辺稔博シニアマネージャーが語るように「北海道への感謝」を形にした特別な存在です。1876年に設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツに持つ同社にとって、札幌は社名の由来であり、ビール造りの聖地でもあります。創業から100年以上の時を経て、あえて販路を北海道のみに絞り、地域住民に愛され、消費される「地産地消」のビジネスモデルを確立させたのです。

SNS上では「北海道に行かないと飲めない特別感がたまらない」「新千歳空港に降り立ったら、まずはクラシックで乾杯するのが儀式」といった、県外のファンからの羨望の声も目立ちます。また、道民からは「自分たちのためのビールという誇りを感じる」といった熱い支持が寄せられています。このように、希少価値と地域への帰属意識を巧みに融合させた戦略が、ブランドに対する深いロイヤリティを醸成しているのでしょう。

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徹底した地域密着マーケティングと「道民の顔」を起用した戦略

クラシックの戦略で特筆すべきは、徹底した「北海道ファースト」の姿勢です。大手他社が全国区の有力ブランドでしのぎを削る中、サッポロビールはあえて自社の「黒ラベル」や「エビス」といった看板商品と競合することを恐れず、道内ではクラシックを最優先ブランドに据えました。札幌ドームの看板を黒ラベルから切り替え、新千歳空港でも「限定感」を強く打ち出すなど、道内でのプレゼンスを極限まで高めています。

さらに、2014年からはテレビCMに北海道出身であるTOKIOの松岡昌宏さんを起用し、道民の心をがっちりと掴んでいます。ここでのポイントは、単なるタレント広告に留まらない点です。五稜郭の春や旭川の夏といった、季節の移ろいを感じさせる道内の名所を舞台に、地元の人々と共に食事を楽しむ姿をシリーズ化しました。これによって、ビールが単なる飲料ではなく「北海道の生活の一部」として強く認識されるようになったのです。

あえて消費量の多い道央圏を避けて撮影地を選定する「地域分散型」のプロモーションも、道内全域での支持を広げる巧みな手法と言えるでしょう。2020年の発売35周年に向けて、さらなる飛躍を目指すクラシック。地元を愛し、地元に愛されるこのブランドの姿勢は、グローバル化が進む現代において、地域に根ざした「本物の価値」とは何かを私たちに教えてくれているような気がしてなりません。

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