2019年09月19日、長野市内に位置するホテルJALシティ長野にて、信州日経懇話会の例会が華やかに開催されました。今回のメインスピーカーには、日本経済新聞社の編集委員を務める安西巧氏が登壇し、業界の最前線を見つめてきた独自の視点を披露。会場には熱気があふれ、多くの参加者が熱心に耳を傾けていたのが印象的です。
講演のテーマは「2020年代のエレクトロニクス産業~暗中模索のソニー&パナソニック」という、非常に刺激的な内容でした。エレクトロニクス産業とは、電子工学の技術を駆使して家電やスマートフォン、半導体などを生み出す産業の総称を指します。かつて日本が「家電王国」として世界を席巻した時代を支えた中心的な分野といえるでしょう。
安西氏は、日本を代表する巨大企業であるソニーとパナソニックの歴史を紐解き、創業期から今日に至るまでの歴代トップたちが残した功績や、当時の舞台裏を感じさせる逸話を丁寧に紹介されました。1980年代後半から1990年代初頭にかけてのバブル経済以降、両社がどのように業績の波を乗り越えてきたのか、その変遷が鮮やかに描き出されています。
SNS上では「かつての栄光を知る世代として、今の停滞感は寂しい」といった声や、「経営陣に求められる資質が昔とは根本的に変わってきているのではないか」という鋭い指摘も見受けられます。多くの人々が、日本のものづくりを象徴するこの2社の行く末に、強い関心と一抹の不安を抱きながら注目している現状が浮き彫りになりました。
自前で稼ぐ技術の欠如と経営者の判断力に警鐘
講演の中で特に安西氏が強調したのは、現状の両社が抱える深刻な課題です。現在の株価や業績が期待に届かない要因として、次世代を担う決定的な新技術が見いだせていない現状を厳しく指摘されました。これは、過去の成功体験に縛られ、未来の収益源となる「柱」を構築できていないことを意味しており、非常に重い言葉として響きます。
さらに氏は、経営者に求められる「目利き力」や決断力の低下についても言及されました。目利き力とは、数ある技術や事業の中から、どれが将来的に大きな利益を生むかを見極める卓越した鑑定眼のことです。この力が鈍ることで、投資のタイミングを逸したり、有望な芽を摘んでしまったりするリスクが高まってしまうのでしょう。
安西氏の主張によれば、外部に頼るのではなく、自らの手で稼ぐ技術を継続的に生み出す「仕組み」を再構築しない限り、この悪循環を断ち切ることは困難だといいます。私もこの意見には強く同意いたします。AIや5Gといった技術革新が加速する2020年代において、受動的な姿勢は命取りになりかねないからです。
日本が再び世界の舞台で輝くためには、ソニーやパナソニックがかつての挑戦心を取り戻し、大胆なイノベーションを主導していく姿を見せてくれることが不可欠でしょう。今回の講演は、私たちに「真の成長とは何か」を問いかける、極めて意義深い時間となりました。今後の日本企業の奮起に、大きな期待を寄せずにはいられません。
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