中央競馬のファンが待ちに待った秋のGIシリーズがいよいよ幕を開けます。第53回スプリンターズステークス(GI・芝1200メートル)が、2019年09月29日に中山競馬場で開催される運びとなりました。16頭の快速自慢たちが集結するこの大一番を前に、2019年09月28日からは全国で馬券の発売が開始され、競馬場や場外馬券発売所は独特の熱気に包まれています。SNS上でも「どの馬から買うべきか」「内枠の利がどこまで響くか」といった予想合戦が繰り広げられ、トレンドを賑わせているようです。
今回の主役として期待を集めているのは、充実期を迎えた4歳世代の3頭です。なかでも注目すべきは、前走のGIII・キーンランドカップを鮮やかな走りで制したダノンスマッシュでしょう。同馬はこれまで右回りの1400メートル以下のレースにおいて、7戦して6勝2着1回という驚異的な安定感を誇っています。今回は絶好の2番枠を引き当てたことで、道中をロスなく運び、自慢の決め手を引き出せる絶好の舞台が整ったといえます。好位から抜け出す王道の競馬で、悲願のGI初制覇を狙う姿には大きな期待が寄せられます。
対抗馬として名高いモズスーパーフレアは、中山の芝1200メートルで無類の強さを見せており、4戦3勝2着1回と抜群の相性を誇ります。1分07秒1を切る破格のタイムを3度も叩き出しているスピード能力は、まさに現役屈指と言えるでしょう。瞬発力よりも絶対的なスピードの持続力が問われる今の高速馬場は、この馬にとって最大の追い風となります。スタートから迷いなく先頭を奪い、後続に影をも踏ませぬ逃げ切りを図る展開になれば、他馬が追いつくのは容易ではないはずです。
混戦の中山で試される地力と適性
前走の産経賞セントウルステークスをレコードタイムで圧勝したタワーオブロンドンも、無視できない存在です。1200メートルの距離にもすっかり順応した印象を受けますが、今回は中1週という非常にタイトな遠征スケジュールが鍵となるでしょう。500キロを超える大型馬だけに、小回りかつ急坂が待ち受ける中山コースをいかに器用に立ち回るかが、勝利への分かれ道となりそうです。爆発的な末脚を武器にする彼が、直線の短いこのコースでどこまで加速できるかにファンの注目が集まっています。
ベテランの意地を見せたい7歳馬アレスバローズは、時計の速い決着に強く、展開が向けば一気に台頭する不気味さを秘めています。また、斤量面で有利な3歳世代からは、ディアンドルやファンタジストといった勢いのある若駒たちが参戦し、世代交代を虎視眈々と狙っている状況です。編集者の視点から言えば、今回のような高速決着が予想されるレースでは、枠順の利を活かせるダノンスマッシュが最も安定した立ち回りを見せると予想します。内枠からスムーズに加速し、直線で進路を確保できるかが勝負の分水嶺になるでしょう。
短距離戦は一瞬の判断ミスが命取りになる過酷な戦いですが、それゆえに手に汗握るスリルが凝縮されています。2019年09月29日の午後、中山の短い直線で繰り広げられる電撃の60秒間は、間違いなく競馬史に残る熱い一戦となるはずです。最強のスプリンターの称号を手にするのは果たしてどの馬なのか、その瞬間をしっかりと見届けたいと思います。秋のGI戦線の行方を占う重要な一戦から、一時も目が離せません。
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