世界的な人気を誇るゲームメーカー、米アクティビジョン・ブリザードが下した決断が、現在インターネット上で大きな波紋を広げています。2019年10月08日、同社は人気カードゲーム『ハースストーン』の公式大会において、香港の民主化デモを支持する発言を行った香港出身のプロ選手に対し、極めて厳しい処分を科すことを公式に発表しました。
この処分内容は、該当選手に対して今後1年間の大会出場停止を言い渡すだけでなく、これまでに獲得した賞金もすべて没収するという徹底したものです。運営側は、公式配信の場で政治的なメッセージを発信したことが「大会規定に違反する行為」であると説明していますが、このあまりに迅速かつ重い対応には、多くのファンから驚きの声が上がっています。
グローバル企業が直面するチャイナリスクと「表現の自由」の境界線
今回の騒動の背景には、巨大な中国市場への配慮があるのではないかという見方が強まっています。ここで言う「チャイナリスク」とは、中国政府の意向や現地の世論に反する言動をとることで、膨大なユーザー数を抱える中国国内でのビジネス展開が制限されてしまう危険性のことを指しており、多くの多国籍企業が頭を悩ませている深刻な問題なのです。
SNS上では「ゲームに政治を持ち込むべきではない」という意見がある一方で、「スポンサーや市場を守るために個人の自由な発言を封じるのか」といった猛烈な反発も巻き起こっています。特にハッシュタグを用いたボイコット運動が拡散されるなど、アクティビジョン・ブリザードに対する風当たりはかつてないほどに強まっており、ブランドイメージへの打撃は避けられないでしょう。
編集者としての私見ですが、eスポーツが「スポーツ」として文化的な地位を確立しようとしている今、こうした政治的課題を避けて通ることはできません。規約の遵守はもちろん重要ですが、選手のアイデンティティや勇気ある発言をどのように扱うべきか、運営側には単なる「ルール適用」以上の誠実な対話と、グローバル基準の倫理観が求められていると感じてやみません。
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