ケンミン食品が春雨生産をタイへ集約!米中貿易摩擦を背景にグルテンフリー市場で世界を狙う戦略とは

「ケンミン坊や」のキャラクターでお馴染みの、神戸を代表する老舗メーカー・ケンミン食品株式会社が、主力商品である春雨の生産体制を劇的に刷新します。2019年10月16日、同社はこれまで中国の協力工場に委託していた春雨の製造工程を、タイにある自社の生産拠点へと全面的に移管することを発表しました。

この決断の裏側には、中国国内で加速する原材料費の跳ね上がりや、労働コストの上昇というシビアな現実が存在しています。製造コストを大幅に抑制できるタイへ拠点を移すことで、商品の価格競争力をしっかりと維持し、消費者の皆様へ安定した価値を提供し続ける構えを見せているのです。

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激化する米中貿易摩擦と「対米輸出」への布石

今回の戦略的なシフトは、単なるコスト削減だけに留まりません。現在、国際社会を揺るがしている「米中貿易摩擦」の影響により、中国製の春雨には高い関税が課されるリスクが生じています。タイを輸出の起点に据えることで、この関税の壁を回避し、アメリカ市場への供給をスムーズにする狙いがあるのでしょう。

近年、欧米を中心に「グルテンフリー」という食のトレンドが急速に拡大しています。これは、小麦などに含まれるタンパク質の一種であるグルテンを摂取しない食事療法のことで、健康志向の高い層から絶大な支持を集めています。小麦を一切使わない春雨は、まさにこのニーズに合致する理想的な食材と言えます。

ケンミン食品にとって春雨は、売上高の2割以上を占める非常に重要な柱であり、不動の看板商品であるビーフンに次ぐ存在です。SNS上では「老舗の決断力がすごい」「世界中でケンミンの味が楽しめるようになるのは嬉しい」といった、企業の先見の明をポジティブに捉える声が数多く寄せられています。

編集者としての個人的な見解ですが、地政学的なリスクを素早く察知し、自社工場の強みを活かしてグローバル市場へ打って出る姿勢は、日本の中堅企業が生き残るための理想的なモデルケースだと感じます。伝統を守りつつも、変化を恐れない同社の挑戦が、世界の食卓をどう彩っていくのか非常に楽しみですね。

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