2019年6月19日、トヨタ自動車の有力販売会社であるトヨタモビリティ東京(本社:東京都港区)は、東京都内の9区1市という広範囲な自治体と、災害発生時に「帰宅困難者」を受け入れるための画期的な協定を締結したと発表いたしました。これは、巨大地震などの有事の際に交通機関が麻痺し、自宅へ帰ることができなくなる方々、すなわち**帰宅困難者(きゅたくこんなんしゃ)の安全を確保するための重要な取り組みです。同社は、ショールームという身近な場所を一時的な避難所として開放し、収容しきれない人々を迎え入れるという、地域社会への貢献を強化する姿勢を示しています。
この取り組みの特筆すべき点は、単に場所を提供するだけにとどまらない、具体的な備えです。トヨタモビリティ東京は、国内の自動車ディーラーとしては初めて、画期的な貯水システムを一部の店舗に導入いたしました。この「マルチアクア」と呼ばれる貯水機能付き給水管を13店舗に導入し、断水時でも飲用に適した新鮮な水道水を取り出せるように備えています。さらに、食糧の備蓄も行い、災害時への対応力を格段に高めているのが大きなポイントです。
この「マルチアクア」の仕組みは、従来の貯水タンクとは一線を画しています。一般的なタンクは一度蛇口から出た水を溜めるため、長期保存により水が古くなり、いざという時に使えないリスクがありました。しかし、「マルチアクア」は水道管に直接接続し、新鮮な水を循環させながら貯める(じゅんかんさせながらためる)システムを採用しています。これにより、水の品質を約7日間も保つことが可能となり、停電時にも利用できる設計です。計算上、100人の方が3日間飲用に使える十分な量の水を確保できるというのですから、その安心感は計り知れません。
今回の協定は、東京都が推進する帰宅困難者対策事業に基づいたものであり、トヨタモビリティ東京は以前から、都が設置を進める災害時帰宅支援ステーション(さいがいじきたくしえんステーション)にも加盟し、店舗を受け入れ拠点として活用する取り組みを進めていました。このような地域に根差した企業の防災への積極的な姿勢は、私たち住民にとって大きな希望の光となります。SNS上でも、「販売店がそんな役割を担ってくれるのは心強い」「車の点検だけでなく、命の安全も預けている気分になる」といった、今回の発表に対する好意的な反響が見受けられ、企業イメージの向上にもつながっているでしょう。
私は、このトヨタモビリティ東京の取り組みは、企業の「社会的責任(しゃかいてきせきにん)」、すなわちCSRを具現化した素晴らしい事例だと強く感じています。自動車販売店は、幹線道路沿いや生活圏の主要な場所に立地していることが多く、災害時にはまさに「地域の安心拠点」**となり得るポテンシャルを秘めているのです。自社の事業継続のためだけでなく、人命を最優先に考えるこの姿勢は、他の業態の企業にとっても模範となるでしょう。この協定を機に、多くの企業が地域防災への貢献という視点を持つことを期待しています。
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