2019年10月、旭化成の吉野彰名誉フェローがノーベル化学賞を受賞するという喜ばしいニュースが世界を駆け巡りました。リチウムイオン電池の開発という偉大な功績を支えたのは、幼少期に出会った一冊の本だったといいます。その書籍こそが、マイケル・ファラデーが著した不朽の名作「ロウソクの科学」です。吉野氏が「化学への興味の原点」として本作を挙げたことで、今まさに空前の注目が集まっています。
この異例の反響を受け、出版社であるKADOKAWAは2019年10月14日までに「ロウソクの科学(角川文庫版)」の2万部重版を決定しました。SNS上でも「吉野さんの原点なら読んでみたい」「子供にプレゼントしたい」といった声が相次いでおり、書店では品切れが続出するほどの盛り上がりを見せています。19世紀にイギリスで行われたクリスマス講演が、時を超えて現代の日本で再び輝きを放っているのです。
世代を超えて愛される「世界一の理科」の魅力
「ロウソクの科学」は、1本の燃えるロウソクを通じて、燃焼の仕組みや空気の成分、さらには自然界と人間との深い関わりを解き明かす内容となっています。著者のファラデーは、電磁誘導を発見した偉大な科学者でありながら、子供たちに科学の楽しさを伝える名人でもありました。専門的な用語を並べるのではなく、目に見える現象から真理を導き出すその手法は、現代の教育現場でも「最高の教科書」と称賛されています。
さらに、低年齢層向けに構成された「ロウソクの科学――世界一の先生が教える超おもしろい理科(角川つばさ文庫版)」も、1万部の増刷が決定しました。難しい科学の概念を、イラストや平易な表現で解説したこの一冊は、次世代の科学者を目指す子供たちにとって最適な入門書となるでしょう。活字離れが叫ばれる昨今ですが、本物の知的好奇心を刺激するコンテンツには、時代を問わず人々を動かす力があると感じさせられます。
また、音声で本を楽しむオーディオブックを展開するオトバンクも、このブームを後押ししています。2019年10月18日までの期間限定で、岩波書店版の販売価格を30%オフの924円で配信することを決めました。耳から科学の神秘を体験するという新しい読書体験は、忙しい現代人の知的好奇心を満たす素晴らしい機会になるはずです。ノーベル賞という最高の栄誉が、私たちに「学ぶ楽しさ」を再発見させてくれました。
個人的な見解を述べさせていただくと、吉野氏がこの本を手に取らなければ、私たちの生活に欠かせないスマートフォンや電気自動車の発展は遅れていたかもしれません。一冊の本が持つ影響力の大きさに、改めて畏敬の念を抱かずにはいられません。科学は決して難しい数式の羅列ではなく、身近なロウソクの炎の中に隠されているのです。この機会に、皆さんも知の冒険へ出かけてみてはいかがでしょうか。
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