結婚式の主役といえば、かつては豪華なロングトレーンのドレスが王道でした。しかし、2019年10月21日現在のウエディングシーンでは、その常識が大きく塗り替えられています。今、おしゃれに敏感な花嫁たちが選んでいるのは、自分らしさを最大限に引き出す「個性派ドレス」なのです。
特に注目を集めているのが、自立した女性像を象徴するパンツスタイルです。東京・港区のドレス専門店「ミラーミラー表参道」を訪れた25歳の女性は、その魅力を「前から見るとクールで、後ろ姿は可憐。他人とかぶらない圧倒的な存在感がある」と笑顔で語ります。従来の枠にとらわれない選択が、新しい感動を呼んでいます。
SNS上でもこの動きは顕著で、「#ウエディングドレス」と検索すれば、海外ブランドの洗練されたパンツルックやカジュアルなコーディネートが次々とヒットします。型にはまった豪華さよりも、自分自身のライフスタイルに馴染む「等身大の美しさ」を求める声が、ネットを通じて急速に広がっているようです。
自分らしさを表現する「お色直し」の新定番
ミラーミラーが約4年前にパンツドレスを導入した当初は、あくまで流行の最先端を示す象徴的な存在でした。しかし、サブマネージャーの山口氏によれば、2018年ごろからこのスタイルを目当てに来店する顧客が急増しているといいます。特に、普段からパンツ派の女性が、お色直しの衣装として選ぶケースが目立ちます。
お色直しとは、披露宴の途中で新郎新婦が衣装を着替える演出のことです。かつては和装から洋装へ、あるいは白から色鮮やかなドレスへ変えるのが一般的でしたが、現在は「より自分らしい姿」へのチェンジが好まれています。ニューヨーク発の背中が大胆に開いたデザインなど、フェミニンさと格好良さを両立した新作も人気です。
結婚情報誌「ゼクシィ」の平山編集長も、時代の変化を指摘しています。かつては周囲への披露が目的だった結婚式が、今では「自分たちの個性をどう表現するか」を重視する場へと変貌を遂げました。実際に調査では、演出で心がけたこととして「自分らしさ」が57%と上位にランクインしています。
ハウスウエディングの普及とカジュアル化の波
2000年代以降、一軒家を貸し切るような「ハウスウエディング」が普及したことで、式そのものの自由度が高まりました。これに伴い、ドレスも多様化が進んでいます。エスクリが提案するミニスカートやへそ出しスタイル、さらには足元にスニーカーを合わせるコーディネートなど、日常のファッションの延長線上にあるデザインが支持されています。
ノバレーゼが2019年10月に入荷した新作では、パンツスタイルに長い裾(トレーン)を組み合わせた、歩くたびに優雅な動きが出るデザインが評判です。営業本部の城氏は、一生に一度の機会だからこそ、無理をして着飾るのではなく、普段通りの自分を大切にしてほしいと熱を込めて語っています。
私は、この「自然体」を尊ぶ流れは非常に素晴らしいと感じます。晩婚化という社会背景もあり、成熟した大人のカップルが自分たちの価値観で予算をかけ、こだわり抜く結婚式が増えているのでしょう。豪華絢爛な「見せる式」から、幸福を分かち合う「分かち合う式」へ。ドレスの多様化は、私たちが自分らしく生きる時代を象徴しています。
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