三菱ケミカルが、広大な中国の大地で持続可能な農業の新たな形を提示しようとしています。同社は2019年10月21日までに、中国の有力な育苗業者である瀋陽秋実農業科技発展(以下、瀋陽秋実)との提携を正式に発表しました。この協力関係の主な狙いは、農薬をほとんど使用せずに高品質な作物を育てる「植物工場システム」の普及にあります。
今回パートナーとなった瀋陽秋実は、2018年から先行して三菱ケミカルの技術を導入しており、すでに年間で約500万株の苗と60トンもの葉物野菜を生産する実績を上げています。この成功を土台として、今後は中国東北部や内モンゴル自治区といった広範な地域に対し、トマトやイチゴの栽培に特化したシステムを戦略的に展開していく計画でしょう。
最先端の光と水が支える「スマート農業」の衝撃
三菱ケミカルが提供する植物工場システムには、日本の高度な技術が凝縮されています。特筆すべきは、太陽光の代わりに制御されたLED照明を用い、さらに緻密な水質管理を組み合わせている点です。これにより、天候や環境に左右されず安定した収穫量を確保できるだけでなく、病害虫のリスクを極限まで抑えることで「ほぼ無農薬」の状態での栽培を実現しています。
今回の提携拡大により、現地ではトマトで年間60トン、イチゴで10トンの収穫を目標に掲げています。SNS上では「中国でも食の安全に対する意識が高まっており、日本企業の技術が浸透するのは頼もしい」といった期待の声が寄せられました。食の安全性向上は世界共通の課題であり、無農薬栽培を可能にする「スマート農業(先端技術を活用した効率的な農業)」への関心は一層強まるはずです。
編集者の視点から見れば、この動きは単なる設備販売に留まりません。環境負荷を低減しながら食糧問題を解決する、極めて社会的意義の高いビジネスモデルだと評価できます。三菱ケミカルと瀋陽秋実が手を取り合い、現地の農家へこの革新的なシステムを売り込んでいくことで、中国の食卓に並ぶ野菜や果物の基準が、今後劇的にアップデートされていくことを期待して止みません。
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