【深刻な現実】認知症による行方不明者、過去最多を更新!命を守るための地域とテクノロジーの役割とは?

2018年、認知症が原因で警察に届け出られた行方不明者の数が、またしても過去最多を更新したという衝撃的な事実が、2019年6月20日の警察庁のまとめで明らかになりました。その人数は前年から1,064人増加し、1万6,927人にものぼります。この数字は、統計を取り始めた2012年と比較すると、なんと1.7倍という驚くべき増加率を示しているのです。これは、私たちの社会が直面している高齢化という大きな波の中で、認知症という疾患がもたらす課題の深刻さを、改めて浮き彫りにしています。そして、この事態を他人事として見過ごすことは、決してできないでしょう。

特に心を痛めるのは、徘徊中に交通事故などに遭い、508人もの尊い命が失われてしまったという点です。認知症を抱えるご本人はもちろん、そのご家族の不安や心労は計り知れません。ちなみに、認知症とは、脳の病気や障害など様々な原因により、記憶力や判断力といった認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。厚生労働省の推計では、2015年時点で約520万人もの方が認知症であるとされており、団塊の世代(第二次世界大戦後のベビーブーム期に生まれた世代)が全て75歳以上となる2025年には、その数が約730万人に達すると見込まれています。このままでは、行方不明者の数はさらに増加する恐れがあります。

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増え続ける高齢者の行方不明、迅速な発見が鍵に

行方不明となった方の年齢層を見てみますと、80歳以上が8,857人で全体の52%を占め、最も多いことが分かります。次いで70歳代が6,577人(39%)、60歳代が1,353人(8%)となっており、高齢であるほど行方不明になるリスクが高い傾向が読み取れます。男女別では、男性が9,274人(55%)、女性が7,653人(45%)と、男性の方がやや多いという結果が出ています。しかし、不安な状況の中にも、一筋の希望が見えるデータも存在します。2018年中に所在が判明したり、届け出が取り下げられたりした方は1万6,866人にのぼります。

行方不明となった方のうち、届け出が受理された当日中に無事を確認できたケースが1万1,905人(71%)と大半を占めており、2~7日以内の発見と合わせると、全体の96%が1週間以内に見つかっているのです。これは、多くの場合、自宅周辺の徘徊(目的なく歩き回ること)が原因であることが示唆されています。迅速な捜索と地域の方々の協力がいかに重要であるかを物語っていると言えるでしょう。

政府の新たな対策とSNSでの反響

こうした状況を受け、政府も手をこまねいているわけではありません。2018年6月18日に決定された認知症対策の新たな大綱では、地域の見守り体制の強化や、ICT(情報通信技術、Information and Communication Technologyの略で、通信技術を活用した情報処理のこと)を用いた捜索システムの普及などが盛り込まれました。また、厚生労働省の特設サイトでは、自治体が保護した身元不明者の情報公開が行われ、警察も自治体や高齢者施設と連携し、徘徊の恐れがある方の情報共有を進めています。

このニュースが報じられた際、SNS上では「家族を抱える身として、本当に胸が痛む」「地域全体で支える仕組みが必要だ」「GPSなどの技術をもっと安価で使いやすくしてほしい」といった、切実な声や前向きな提案が数多く寄せられました。特に、「認知症不明者」という言葉の重みを感じ、自分たちも何かできることはないか、という意識を持つ人々が多く見受けられました。

私たちの社会に求められる共生とテクノロジーの活用

行方不明者の増加は、もはや待ったなしの社会課題です。私は、この問題に対して、単なる「対策」ではなく、認知症の方々が安心して暮らせる「共生の社会づくり」が不可欠だと強く感じています。大切なのは、認知症に対する正しい知識を持ち、地域の中で温かい目で見守る「人」の力です。その上で、最新のテクノロジーを最大限に活用すべきです。例えば、小型GPS機器の活用は、迅速な発見に繋がるでしょうし、AIを活用した見守りシステムも有効な手段となり得ます。

2018年のデータは、過去の記録となってしまいましたが、この厳しい現実から目を背けず、私たち一人ひとりが**「高齢者」「認知症」**というキーワードを自分事として捉え、行動を起こすことが、将来の悲劇を防ぐ唯一の方法です。地域社会と、技術革新の双方が手を取り合うことで、認知症の方がより安全に、そして尊厳を持って生活できる社会の実現を目指すべきだと考えます。

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