2019年11月10日、日本の「市場の番人」である公正取引委員会が、デジタル時代の覇者である巨大IT企業、いわゆる「プラットフォーマー」の実態調査報告書を公表しました。これまで不透明だった巨大資本の取引慣行に鋭く切り込み、法的に問題となる行為を具体的に示した今回の指針は、まさに画期的な一歩と言えるでしょう。
特に注目すべきは、独占禁止法という既存の武器をどう活用するかを明確に整理した点です。独占禁止法とは、企業間の公正で自由な競争を妨げる行為を禁じ、消費者の利益を守るための法律を指します。今回の報告書では、通販サイトやアプリ販売市場において、IT企業が優越的な立場を悪用して手数料を不当に引き上げるなどの行為を厳しく牽制しています。
検索順位の不透明性に一石を投じる「新たな独占」への挑戦
今回の指針で高く評価したいのは、従来のルールでは捉えきれなかった「検索結果の独占」という現代特有の問題に踏み込んだことです。多くの消費者は検索結果の上位しか目にしないため、表示基準が不透明なまま特定の企業が優遇されることは、公平な競争を著しく阻害します。公取委がこの問題を「新たな課題」と認めた意義は極めて大きいでしょう。
SNS上では「ようやく不当な検索操作に光が当たった」と歓迎する声が上がる一方で、「規制が強すぎてサービスが不便にならないか」という懸念も散見されます。しかし、変化の激しいデジタル社会において、ルール作りを先延ばしにする余裕はありません。政府が検討している新法の制定を含め、私たちは今、迅速かつ柔軟な対応を求められているのです。
一方で、経団連などの国内経済界からは、過度な規制が技術革新(イノベーション)を停滞させるという警戒の声も漏れ聞こえます。確かに過剰な縛りは禁物ですが、巨大IT規制はもはや避けて通れない世界的な潮流です。私は、日本企業こそこの状況を「透明性をアピールする好機」と捉え、攻めの姿勢に転じるべきだと考えます。
実際に世界では、規制を逆手に取った「レグテック(ITを活用した規制対応)」などの新産業や、個人データに依存しない広告モデルが誕生しています。楽天やヤフーといった国内勢も、消費者の利便性を最優先に自らを律することで、世界に誇れる健全なデジタル市場を築けるはずです。市場の番人の奮闘が、私たちの未来をより豊かにすることを期待して止みません。
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