2019年10月21日、日本のインフラ技術が世界を照らす明るいニュースが飛び込んできました。大手電機メーカーの東芝は、インドネシアの国有電力会社である「PT Geo Dipa Energi(GDE)」から、地熱発電に欠かせない小型の蒸気タービンおよび発電機を受注したと発表したのです。今回の設備は、2021年3月に運転開始を予定しているジャワ島中部の地熱発電所に導入される計画で、出力は10メガワット規模にのぼります。
地熱発電とは、地中深くにあるマグマの熱を利用して高温の蒸気を取り出し、その力でタービンを回して電気を作る仕組みを指します。東芝はこれまで、インドネシア最大級の発電所に合計239メガワットという巨大な設備を納入してきた実績がありますが、1から20メガワット規模の「小型システム」を同国で受注するのは今回が初めての試みとなります。これはメキシコに続く世界2カ国目の快挙であり、技術の多様化が進んでいる証拠でしょう。
このニュースに対し、SNS上では「日本の技術が海外の環境問題に貢献するのは誇らしい」「大規模な施設だけでなく、小回りの利くシステムが途上国には必要だ」といった期待の声が数多く寄せられています。再生可能エネルギー、いわゆる「再エネ」の海外展開を加速させる東芝の戦略は、持続可能な社会を目指す世界的な潮流とも合致しており、投資家や環境保護団体の視線も熱くなっています。受注額こそ非公表ですが、その価値は数字以上のものがあるはずです。
離島の課題を克服する地熱発電のポテンシャル
インドネシアがなぜ小型の地熱発電を求めているのか、そこにはこの国特有の地理的背景が関係しています。数多くの島々で構成されるインドネシアでは、大規模な送配電網(発電所で作った電気を家庭まで届けるための電線ネットワーク)を整備することが物理的に困難です。そのため、多くの地域では重油などを燃料とするディーゼル発電に頼らざるを得ないのが現状ですが、これには大きな弱点が存在します。
ディーゼル発電に使う燃料は船で各島へ運搬されるため、輸送コストが膨らむだけでなく、天候が悪化すれば補給が途絶えて停電を招くリスクもあります。私は、今回の小型地熱発電の導入こそが、こうした「エネルギーの孤立」を救う決定打になると確信しています。地熱は天候に左右されず、24時間安定して発電できるため、化石燃料への依存度を下げつつ、地域に密着した安定的な電力供給を実現できる素晴らしい選択肢なのです。
日本が誇るタービン技術が、インドネシアの美しい島々の生活を支え、環境負荷を低減していく姿は非常に感慨深いものがあります。今後、この小型システムが成功を収めれば、同様の課題を抱える他の東南アジア諸国への展開も期待できるのではないでしょうか。東芝の挑戦は、単なるビジネスの枠を超えて、地球の未来を守るための重要な一歩であると私は強く支持します。
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