2019年11月01日、東京都は記録的な暴風雨をもたらした台風19号による都内の農林水産業への被害状況を公表しました。判明している分だけでも被害総額は約33億円という巨額にのぼり、自然の猛威が東京の生産現場に深い爪痕を残したことが浮き彫りとなっています。
特に深刻な状況にあるのが林業分野で、その被害額は約23億円と全体の約7割を占めているのです。山腹からの土砂流出や、木材の搬出に欠かせない「林道施設(山林の中に設けられた道路のこと)」の決壊が相次ぎ、復旧には相当な時間と労力を要すると見られています。
農業・水産業への打撃と都が用意する再起への羅針盤
農業分野においても、野菜の栽培に不可欠なビニールハウスの倒壊などが相次ぎ、約10億円の損害が確認されました。また、水産業でも2700万円ほどの被害が出ており、多摩地域から島しょ部に至るまで、都内全域の食を支える担い手たちが苦境に立たされています。
こうした事態を受け、東京都は被災した方々が一日も早く事業を再開できるよう、強力なバックアップ体制を敷きました。具体的には、農業用のパイプハウス再整備や、崩落した森林作業道の補修にかかる費用の一部を補助することを決定しています。
さらに、資金繰りを支援するために無利子融資の枠組みを設けるほか、中小企業を対象とした低利融資や信用保証料の助成も実施される予定です。SNS上では「東京の野菜を守ってほしい」「奥多摩の山々が心配だ」といった、生産者を案じる温かい声が数多く寄せられています。
編集者としての私見ですが、今回の災害は「都市部としての東京」だけでなく「生産地としての東京」の脆弱性を改めて露呈させました。迅速な公的支援はもちろん大切ですが、私たちが都内産の食材や木材を積極的に選ぶことも、大きな復興支援の一助となるはずです。
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