現代の経済地図を塗り替えた「GAFA」こと、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン。2019年11月06日現在、これら巨大IT企業の圧倒的な支配力に対し、世界各国の規制当局がようやく重い腰を上げ始めました。
しかし、単なる一国単位の監視ではもはや不十分と言わざるを得ません。彼らの時価総額は、G7構成国の国内総生産(GDP)に匹敵する規模にまで膨れ上がっています。この巨大な富とデータが、市場の健全な競争を阻害しているのです。
SNS上でも「便利だけれど、選択肢が奪われている気がする」「中小企業が太刀打ちできない」といった不安の声が目立ちます。今こそ、国境を越えた「グローバル独禁法」の制定を真剣に検討すべき局面に来ているのではないでしょうか。
勝者総取りの影に潜む「技術革新の停滞」という罠
GAFAの強みは、膨大な利用者データを独占し、それを背景に取引企業へ優越的な地位を利用することにあります。さらに懸念されるのが、将来のライバルとなり得る新興企業を次々と買収し、イノベーションの芽を摘み取ってしまう行為です。
いわゆる「独占禁止法(独禁法)」とは、公正で自由な競争を促進するための法律です。本来、市場は多様なプレイヤーが競い合うことで進化しますが、一社が勝ち続ける「勝者総取り」の状態は、結果として社会全体の活力を削ぐことになりかねません。
デジタル資本主義は私たちの生活を劇的に便利にしましたが、同時に深刻な格差拡大をもたらした側面も否定できません。この歪みを正すためには、個人情報保護やデジタル課税と並ぶ、強力な「独禁政策」の強化が不可欠な柱となるはずです。
日本が主導すべき「ルールなき資本主義」からの脱却
これまで米国当局はこの状況を黙認してきた嫌いがありますが、ようやく欧州連合(EU)が巨額の罰金で先導し、日本の公正取引委員会も警戒を強めています。今後はOECDやG20といった国際的な枠組みでのルール作りが求められるでしょう。
日本の経済界には「新たな規制は成長を阻む」と反対する声もあります。しかし、これは自由を縛る「規制」ではなく、グローバル資本主義を健全に機能させるための「ルール化」です。ルールがない試合ほど、参加者にとって危ういものはありません。
私は、巨大IT企業が金融機能まで手中に収める「機関銀行化」を防ぐ防波堤も必要だと考えます。透明性の高いルールを築くことは、資本主義を鍛え直し、次世代に公正な市場を引き継ぐための、私たち世代の責務といえるでしょう。
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