2019年10月31日、日本のエネルギー業界に激震が走った関西電力の金品受領問題を受け、大手電力各社が決算発表の場で一斉にコンプライアンス体制の見直しを表明しました。原子力事業に対する社会的な不信感がかつてないほど高まる中、企業としての誠実さをどう証明するかが問われています。
特に断固とした姿勢を示したのが北陸電力です。金井豊社長は、これまで「社会通念上、常識の範囲内」として認めていたお中元や歳暮の受け取りを、2019年11月1日以降は全社員一律で禁止すると発表しました。業界全体の「襟を正す」という強い決意が、この決断には込められています。
ここで注目したい「コンプライアンス」という言葉は、単に法律を守るだけでなく、社会的な道徳や倫理観に沿って企業活動を行うことを指します。SNS上では「当たり前のことだが、徹底するのは大変だろう」「ようやく重い腰を上げたか」といった、期待と厳しさが入り混じった声が数多く寄せられています。
各社で分かれる対応策と透明性の確保
一方、東北電力は「届け出制」という新たなアプローチを選択しました。常識を超えるような過度な接待や贈答を禁じるだけでなく、判断に迷った際の相談窓口を設置。もし多額の金品を受け取ってしまった場合には、速やかに会社へ報告することを義務付ける仕組みを整えています。
Jパワー(電源開発)も同様に、原則として贈答品は受け取らない方針を掲げつつ、どうしても辞退できない状況では上司への報告を必須としました。各社がこれほどまでに神経を尖らせるのは、一度失った市民からの信頼を取り戻すことが、どれほど困難であるかを痛感しているからに他なりません。
私は、今回の各社の対応は「遅きに失した」感は否めないものの、業界の体質を変える大きな転換点になると考えています。透明性を高めることは、決して社員を縛ることではなく、健全なビジネスパートナーシップを築くための防波堤となるはずです。今こそ、実効性のある運用が期待されます。
東北電力はさらに調査のメスを入れ、原子力部門だけでなく火力や水力といった全部門において不適切な授受がないかを確認しました。幸いにも関電のような事例は見つかりませんでしたが、2019年11月現在、電力業界全体が聖域なき自己改革を迫られているのは紛れもない事実でしょう。
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