2019年11月02日、Jパワー(電源開発)の渡部肇史社長が、日本のエネルギー政策の根幹に関わる重要なメッセージを発信しました。現在、世界的に地球温暖化対策が急務となる中で、二酸化炭素の排出量が多い石炭火力発電には強い逆風が吹き荒れています。しかし渡部社長は、将来のエネルギーバランスを冷静に見据えた際、安易に特定の電源を排除することの危うさを鋭く指摘しているのです。
私たちが日々当たり前のように享受している電力ですが、その安定的な供給を維持するのは容易なことではありません。太陽光や風力といった再生可能エネルギーは、天候や時間帯によって発電量が大きく変動するという性質を持っています。こうした「出力不安定性」を補い、常に一定の電力をネットワークに流し続けるためには、調整役となる電源が不可欠なのです。
技術革新で切り拓く「低炭素な石炭火力」という選択肢
渡部社長が強調するのは、石炭が持つ「経済性」と「安定性」という圧倒的なメリットです。石炭は他の化石燃料に比べて埋蔵量が豊富で、調達コストも比較的低く抑えられるため、電気料金の急騰を防ぐ防波堤となります。もし石炭火力が完全に失われれば、私たちの生活を支えるエネルギーの価格を一定に保つことは非常に困難なミッションとなるでしょう。
もちろん、環境負荷を無視して良いという話ではありません。ここでキーワードとなるのが「低炭素化技術」の進展です。Jパワーは、石炭を燃やすのではなくガス化して発電する「IGCC(石炭ガス化複合発電)」など、最先端の技術開発に心血を注いでいます。これらは従来の方式よりも遥かに効率が良く、排出される二酸化炭素を大幅に削減できる可能性を秘めた次世代のシステムです。
SNS上では、この渡部社長の発言に対して「理想だけでなく、現実的なエネルギー供給を考えるべきだ」という賛成意見が見られる一方、「脱炭素の流れに逆行しているのではないか」という厳しい声も上がっています。世論が真っ二つに分かれるこの議論は、日本という資源の乏しい国が直面している「エネルギー・トリレンマ」の難しさを如実に物語っていると言えるでしょう。
エネルギー・トリレンマとは、エネルギーの安定供給、経済性、そして環境適合性の3つを同時に成立させることの困難さを指す専門用語です。私は、感情的な議論に流されず、渡部社長のように現実的な電源構成(エネルギーミックス)を模索する姿勢こそが、今の日本には必要だと確信しています。技術の力で課題を解決し、持続可能な社会を目指す同社の動向から目が離せません。
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