知床の移動革命!2019年11月始動の「CREW」実証実験が描く北海道2次交通の未来

広大な大地が広がる北海道において、移動手段の確保は常に大きな課題となってきました。そんな中、東京・渋谷に本拠を置く配車サービスの「アジット(Azit)」が、2019年11月から世界自然遺産・知床を舞台に、自家用車を活用した画期的な送迎サービスの実証実験を開始します。この試みは、高齢化や公共交通機関の縮小に悩む地方の救世主となる可能性を秘めており、SNS上でも「これからの時代の助け合いだ」「観光の足が便利になる」と大きな期待が寄せられているのです。

今回の実証実験の軸となるのは、アジットが2015年から展開している「CREW(クルー)」というプラットフォームです。これは、移動したいユーザーと、目的地まで送ってあげたいドライバーをマッチングさせるアプリサービスになります。利用者はスマートフォンのアプリ上で出発地と行き先を指定するだけで、厳しい事前審査をクリアした信頼できるドライバーが、普段使っている自家用車で迎えに来てくれるという極めてシンプルな仕組みが採用されました。

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「白タク」とは一線を画す、謝礼ベースの共助モデル

日本において、許可なく自家用車で有償の送迎を行うことは、一般に「白タク」と呼ばれ法律で禁止されています。しかし、CREWがこれまでのサービスと決定的に異なる点は、運賃ではなく「任意の謝礼」という形をとっていることです。具体的には、ガソリン代の実費とシステム手数料に加え、利用者が0円から1万円の間で自由に決めた謝礼を支払います。これにより、営利目的のタクシー事業ではなく、ヒッチハイクのような善意による「助け合い」の範囲内であると整理されているわけです。

実証実験は2019年11月中に約3週間にわたって実施される予定で、斜里町内の地元ドライバー約15名が参加します。主な対象は日常的に車移動を余儀なくされている町民の皆さんで、実際に配車サービスを体験することで生活がどう変化するかを検証するそうです。斜里町スマート定住推進協議会と連携し、詳細な移動データを蓄積することで、地域内の移動円滑化に向けた具体的な道筋を探る取り組みは、非常に意義深い一歩だと言えるでしょう。

観光の観点からも、この試みは見逃せません。知床は夏の観光シーズンには多くの人が訪れますが、駅から観光スポットへの移動、いわゆる「2次交通」の脆弱さが長年の悩みでした。2次交通とは、拠点となる鉄道駅や空港から、最終目的地である観光地までの接続手段を指します。最近では大手バス会社のWILLERも、複数の移動手段を定額で利用できる次世代移動サービス「MaaS(マース)」を導入するなど、北海道東部では交通インフラのIT化が急速に加速しています。

メディア編集者としての私の視点では、この「CREW」の試みは単なる利便性の追求に留まらず、希薄になりつつある地域コミュニティを「移動」という手段で再構築する挑戦だと感じています。ITを駆使して「お互い様」の精神を仕組み化するこのモデルが成功すれば、知床のみならず日本全国の地方都市が抱える移動難民問題への有力な解決策になるはずです。地方の未来を明るく照らすこの実証実験の成果が、今から非常に楽しみでなりません。

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