窃盗症(クレプトマニア)と刑事責任の境界線とは?高松高裁が下した「常習性」への厳しい判断とSNSの視線

2019年10月31日、高松高等裁判所において、万引きを繰り返したとして罪に問われていた高知市の33歳の女性被告に対し、一審の判決を覆す重い判断が下されました。この裁判で最大の争点となったのは、被告が抱える「窃盗症(クレプトマニア)」という精神障害が、どこまで犯行に影響を及ぼしていたかという点です。

窃盗症とは、経済的な利益を得るためではなく、物を盗む際の衝動を抑えられなくなる精神疾患を指します。一審の高知地方裁判所では、この病気の影響を重く見て、常習累犯窃盗罪の適用を避け、懲役1年2ヶ月という判決を出していました。しかし、今回の控訴審で高松高裁の杉山慎治裁判長は、その判断を真っ向から否定する形となりました。

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「病気」か「人格」か、司法が突きつけた厳しい現実

高松高裁は、被告の行動について「自分の意思で行動を制御する能力が著しく低下していたとは言えない」と厳格に指摘しました。裁判長は、精神障害の影響を一定程度認めつつも、度重なる窃盗行為は被告自身の本来の人格に根ざしたものだと断定しています。その結果、一審では認められなかった「常習性」が認定され、懲役2年の実刑判決が言い渡されました。

このニュースに対し、SNS上では「病気なら治療を優先すべきだ」という同情の声が上がる一方で、「繰り返す以上は厳罰に処さないと被害者が救われない」といった厳しい意見も目立ち、議論が紛糾しています。司法の現場でも、医学的な側面と社会防衛のバランスをどう取るべきか、非常に難しい判断を迫られているのが現状と言えるでしょう。

個人的な見解としては、依存症に近い側面を持つ窃盗症に対し、刑務所への収容だけで解決を図るのは限界があると感じます。もちろん、被害に遭われた店舗の痛みを忘れてはなりませんが、再犯を本質的に防ぐためには、刑罰と並行して医療的なアプローチによる「更生」の仕組みをさらに強化していく必要があるのではないでしょうか。

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