アジアの情勢が大きく動き出そうとしています。2019年11月2日現在、日本と中国の両国間では、さらなる関係改善に向けた首脳同士の対話が極めて活発に行われています。最も注目されるのは、2020年春に予定されている習近平国家主席の国賓としての来日です。これに先立ち、2019年12月下旬に中国で開催される日中韓首脳会談の場でも、安倍晋三首相との個別会談が調整されており、両国の距離は急速に縮まっています。
SNS上では「経済的な結びつきが強まるのは良いことだ」という期待の声がある一方で、「領土問題などの懸念事項はどうなるのか」といった慎重な意見も飛び交っています。このように国民の関心が高い中で、2019年6月に大阪で開催されたG20サミット以来となるトップ同士の再会は、今後の東アジアの安定を占う重要な試金石となるでしょう。頻繁な会談の実施そのものが、冷え込んだ時期を脱した確かな証拠と言えるのかもしれません。
凍てついた関係から「戦略的互恵関係」の深化へ
かつて、2012年に日本政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化した際、日中関係は戦後最悪とも言われるほど冷え込み、首脳会談は完全に途絶えてしまいました。しかし、2014年11月に北京で開催されたAPEC首脳会議において、約3年ぶりに対話が再開されたことで潮目が変わります。その後、国際会議のたびに接触を重ね、2018年10月には日本の首相として7年ぶりとなる公式な訪中が実現し、融和ムードは一気に加速しました。
ここで鍵となる言葉が「戦略的互恵関係」です。これは、歴史認識や領土といった解決の難しい問題をひとまず横に置き、環境保護や省エネ技術、人的交流、北朝鮮問題といった双方が利益を得られる分野で協力を優先するという考え方です。平たく言えば「喧嘩の火種は抱えつつも、儲かる話や共通の課題では手を組もう」という大人な付き合い方を指します。2008年に合意されたこの方針が、今改めて息を吹き返しているのです。
個人的な見解を述べれば、経済規模で世界2位と3位を占める隣国同士が、感情的な対立で対話を閉ざすのは得策ではありません。1972年の国交正常化から長い年月を経て、2018年には日中平和友好条約締結40周年という節目も乗り越えました。もちろん課題は山積みですが、対話のテーブルに着き続けることこそが、不測の事態を防ぐ唯一の手段ではないでしょうか。2020年の国賓来日に向けた動きから、目が離せません。
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