中国のネット出前が進化!「ラスト100メートル」を制する美団・ウーラマの新戦略と学生リレーの衝撃

広大な中国の都市部で、今や生活に欠かせないインフラとなったネット出前サービスが、新たな局面を迎えています。2019年11月08日現在、業界大手の「美団点評(メイトゥアン)」やアリババ傘下の「餓了麼(ウーラマ)」は、配送の最終区間である「ラスト100メートル」の壁を突破するため、これまでにない画期的なリレー方式の導入を急いでいます。

特に注目を集めているのが、広東省広州市にあるマンモスキャンパス「広州大学城」での試みです。ここでは1日8万件という膨大な注文が飛び交いますが、広大な敷地や防犯上の理由から、外部の配達員が校舎へ入ることは容易ではありませんでした。その結果、玄関先に放置された食事が他人に持ち去られるといったトラブルが頻発し、SNS上でも配送品質の低さを嘆く声が後を絶たなかったのです。

こうした課題を解決するため、美団点評は2019年9月24日に「中継荷分け拠点」を設置しました。これは、外部から来た配達員が拠点で荷物を預け、そこから先はキャンパスの構造を熟知した「専属の配送係」にバトンタッチするという仕組みです。この効率的な「リレー配送」により、誤配送や紛失のリスクが劇的に減少したことは、まさに物流のイノベーションと言えるでしょう。

興味深いことに、この学内配送を担っているのは、主に経済的な支援を必要とする現役の大学生たちです。彼らは授業の合間を縫ってアルバイトに励み、1日100元(約1500円)以上の収入を得ることもあるそうです。学生が学生に届けるというこのモデルは、安全面での信頼性を高めるだけでなく、学内の雇用創出にも寄与しており、非常に理にかなった素晴らしいアイデアだと私は感じます。

一方、オフィスビルや高級ホテルでも同様の動きが加速しています。「ラスト100メートル」とは、物流用語で「顧客の手元に届く最後の接点」を指しますが、セキュリティーが厳しいビルでは、このわずかな距離が最大の障壁となっていました。ウーラマは2018年後半から上海で、身元の確かな専属スタッフがビル内を回るサービスを開始し、ユーザーの利便性を飛躍的に向上させています。

2018年の中国出前市場は前年比55%増の約7兆円規模にまで膨れ上がりました。しかし、急成長の裏で配達員の交通違反や雑な扱いが社会問題化しているのも事実です。今回のリレー方式のように、一人の配達員にすべてを背負わせず、役割を分担して質を高める取り組みは、働く側の環境改善にもつながるはずです。テクノロジーと人の力を融合させたこの進化から、今後も目が離せません。

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