内閣府が2019年11月22日に発表した月例経済報告において、日本国内の景気は「緩やかに回復している」というこれまでの見解が据え置かれました。この月例経済報告とは、政府が毎月、日本経済の現状と先行きをどう見ているかを公式に宣言する極めて重要なレポートのことです。私たちの生活実感を裏付ける指針として、多くのビジネスパーソンや投資家が注目を寄せています。
国内指標に目を向けると、雇用情勢の改善や所得の底堅さが消費を支えていることが、今回の強気な判断の背景にあると考えられます。しかし、SNSなどのインターネット上では、消費増税後の家計への負担を懸念する声も多く、政府の発表する「回復」という言葉と、日々の買い物で感じる「物価高」や「節約志向」とのギャップに戸惑うユーザーが散見されるのも事実でしょう。
世界景気の「テンポ鈍化」が示す今後の不透明感
一方で、海外の経済状況については、前月よりも厳しい見通しが示されました。世界全体の景気について、これまでの「緩やかに回復している」という文言に、今回からは「そのテンポは鈍化している」という注釈が加えられたのです。これは事実上の判断引き下げを意味しており、製造業を中心としたグローバルな勢いの衰えを政府が認めた形となっています。
この減速の大きな要因として、中国の経済成長の鈍化や、ユーロ圏における製造業の不振が挙げられます。特に米中貿易摩擦の長期化が、企業の設備投資意欲を削いでいることは否定できません。専門用語で言えば「下方リスク」が高まっている状態であり、これは放っておくと日本国内の輸出や生産にも悪影響を及ぼし、将来的に私たちの給与やボーナスに響く可能性を孕んでいます。
編集部としては、政府が国内景気の維持を強調する一方で、外部環境の悪化を指摘し始めた点に危機感を覚えます。世界経済が冷え込めば、輸出依存度の高い日本企業がいずれ打撃を受けるのは火を見るより明らかです。今は「緩やかな回復」という言葉に甘んじることなく、政府には先手を打った積極的な財政出動や、消費を刺激する大胆な経済対策を期待したいところですね。
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