電気自動車(EV)の世界に、また一つ常識を覆す怪物が誕生しました。アメリカのテスラ社は、2019年11月21日、同社初となるピックアップトラック型のEV「サイバートラック」を世界に初公開したのです。まず目に飛び込んでくるのは、これまでの自動車の概念を根底から覆すような、多面体で構成されたSF映画さながらの奇抜なシルエットでしょう。この斬新すぎるフォルムは瞬く間に世界中で話題となり、SNS上では「未来から来た車だ」「ポリゴンみたいで格好いい」といった驚きの声が溢れかえっています。
テスラがこの独特な外観に採用したのは、極めて強度の高い「ウルトラハード・コールドロール・ステンレススチール」という特殊な合金です。これにより、究極の耐久性と乗員保護性能を実現しようとしています。また、窓ガラスにも防弾性能を意識した強固な素材が使われており、タフさが求められるトラック市場への本気度が伺えます。ちなみに「ピックアップトラック」とは、屋根のない荷台を備えた小型トラックのことで、アメリカでは日常生活からレジャーまで幅広く愛されている、まさに国民的な車種のカテゴリーを指します。
スポーツカーを凌駕する驚異のスペックと経済性
サイバートラックの魅力は見た目だけにとどまりません。6人乗りという実用性を備えつつ、走行性能はもはやスポーツカーの域に達しています。3つのグレードが用意されていますが、最上級モデルでは、静止状態から時速96キロメートルまでわずか2.9秒で到達するという、恐ろしいほどの加速力を誇ります。1回の充電で走れる航続距離も800キロメートルを超えると発表されており、実用面での不安を見事に解消してきました。テスラの技術力が、ついに米自動車大手「ビッグスリー」の牙城を崩しにかかったと言えるでしょう。
さらに注目すべきは、その圧倒的なコストパフォーマンスです。最低価格は3万9900ドル、日本円にして約430万円からという戦略的な設定がなされました。従来のガソリン車であれば、燃料代やメンテナンス費用で月々約700ドルほどの維持費がかかるのが一般的です。しかし、サイバートラックなら月々の電気代はわずか40ドル程度に抑えられる試算だといいます。この経済的なメリットは、日常的に車を酷使するユーザーにとって、非常に強力な選択肢になることは間違いありません。
テスラは発表当日の2019年11月21日から、早くも公式サイトで予約受付を開始しました。納車時期については現時点で明言を避けていますが、すでにネット上では注文したことを報告する投稿が相次いでおり、社会現象に近い熱狂を巻き起こしています。私個人としては、この尖りすぎたデザインが保守的なトラック愛好家にどこまで受け入れられるかに注目しています。しかし、この挑戦的な姿勢こそが停滞した自動車業界を活性化させる刺激剤になるはずです。新しい時代の幕開けを、私たちは今まさに目撃しているのかもしれません。
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