2019年も終盤に差し掛かる中、千葉県は未曾有の台風・大雨被害を乗り越えるための大きな一歩を踏み出しました。県は2019年11月27日、相次ぐ自然災害から得た苦い教訓を糧に、初動対応の劇的な改善を目指す素案を公表しています。
記憶に新しい2019年9月の台風15号では、被害規模の全容把握が遅れ、司令塔となる対策本部の設置が翌日までずれ込む事態となりました。SNS上でも「情報の伝達が遅すぎる」「現場の状況が伝わっていない」といった切実な声が数多く寄せられたのは事実です。
こうした事態を重く見た千葉県は、自前のヘリコプターを持たない弱点を克服するため、国や近隣自治体と連携した新たな空撮体制の構築を急ぎます。上空からの視覚情報を即座に共有することで、支援が必要な場所を瞬時に特定できる仕組みが整えられるでしょう。
司令塔の「空白」を作らない!基準明確化と専門員の派遣
これまでの防災体制では、地震については震度5強という明確な発動基準があったものの、風水害に関しては曖昧な部分が残されていました。今後は「警戒レベル4」という住民への避難勧告が出るタイミングを、本部設置の客観的な目安として検討していく方針です。
また「リエゾン」と呼ばれる情報連絡員の事前選定も注目すべきポイントといえます。リエゾンとは、被災自治体と県を結ぶ橋渡し役となる専門職員のことで、彼らを即座に現地へ送り込むことで、情報の「目詰まり」を解消し、迅速な意思決定を支える狙いがあります。
私自身の見解としても、デジタル化が進む現代において、こうしたアナログな「人のネットワーク」を事前に構築しておくことは極めて合理的だと考えます。テクノロジーと現場のマンパワーが噛み合ってこそ、真に機能する防災体制が実現するのではないでしょうか。
命をつなぐ物流の確保と「直結給水栓」の活用
物資輸送の面でも、これまでの反省を活かした取り組みが始まろうとしています。台風15号の直後はトラックの確保が難航し、被災自治体が自ら物資を取りに行く場面も見られましたが、今後は運輸業界と協力し、災害車両を優先的に動かす仕組みを構築する予定です。
さらに、マンション住民にとって盲点となっていたのが停電時の断水問題です。電動ポンプが止まっても、実は共用部にある「直結給水栓」から水が取れるケースが多く、この周知徹底が図られます。こうした身近な「知恵」の普及が、住民のパニックを防ぐ鍵となるでしょう。
森田健作知事は2019年11月14日の会見で、これまでにない被害への対応の難しさを語りました。2020年度中の地域防災計画見直しに向け、県は有識者や市町村の意見を取り入れながら、より強固な「新生・千葉」の守りを築き上げていく決意を固めています。
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