電気自動車、いわゆるEVの普及が急速に進む中、新潟市を拠点とする金属製品メーカーの内山熔接工業が、新たな挑戦に乗り出します。本日、2019年11月29日の時点で、環境への配慮から世界中で需要が高まるエコカー分野において、同社が車載電池の部品製造への参入を発表したのです。
このニュースは、これからの自動車産業の行く末を占う上で非常に興味深いトピックだと言えるでしょう。SNS上でも「新潟の地元企業が最先端のEV市場を牽引するのは誇らしい」「日本のモノづくり技術がエコカーの未来を支えるね」といった、期待に満ちた声が多く寄せられています。
次世代電池の中核部品「セル」と独自のレーザー技術
今回、内山熔接工業が電池メーカーと共同で開発に着手するのは、電気を蓄える上で最も重要となる「セル」と呼ばれる中核部品です。現在のところ、スマートフォンなどにも使われる充電可能なリチウムイオン電池での展開を予定しているとのことです。
完成した部品は、自社ブランドではなく相手先ブランドの製品として供給するOEMという方式をとります。実はEVが長距離を走るためには、電池の大容量化が不可欠なのですが、これまでのプレス加工と呼ばれる型抜きの手法では、技術的な限界が指摘されていました。
そこで白羽の矢が立ったのが、同社が得意とする高精度なレーザー溶接技術です。光のエネルギーを集中させて金属を精密に繋ぎ合わせるこの技術を用いれば、大容量化という高い壁を乗り越えられると見込んでいます。この着眼点は、まさに長年のノウハウを持つ企業ならではの素晴らしい発想だと感じます。
巨額の設備投資と新工場建設への道のり
品質向上や耐久性を確かなものにするため、まずは2020年02月までに約2億円を投じ、最新のレーザー加工機を用いた実証実験を行います。どのような光の当て方が最適なのか、入念な検証が行われる予定です。新たな市場へ飛び込む熱意が、このスピーディーな投資から伝わってきますね。
さらにその後は、新潟市西蒲区に約15億円をかけた新工場の建設も計画されています。およそ1万平方メートルという広大な敷地を最大限に活用し、早ければ2020年の秋にも着工する見通しです。新工場にはEV向け電池ラインだけでなく、最先端の医療機器向けの製造ラインも併設されます。
精密機器からEVへ、広がる内山熔接工業の未来
同社の本来の主力製品は、半導体などを作る際にホコリのない真空空間を作り出す「真空チャンバー」という特殊な容器です。昨年の2018年にも約20億円を投じて工場を増強したばかりですが、その躍進の勢いはそれだけにとどまりません。
磁気を使って体内の断面図を撮影するMRIなどの医療機器や、ロボット産業への進出も果たしています。もともと1990年代半ばから大手自動車メーカーの部品を手掛けてきた確かな実績があるからこそ、今回のEVシフトという大きな決断に繋がったのでしょう。
私個人としては、既存の強みを次世代の成長産業へ見事に横展開させる同社の経営戦略に、強く賛同します。2019年02月期の売上高は約27億円でしたが、医療やロボット分野の好調により、来期にあたる2020年02月期は30億円以上の売上が見込まれています。日本のモノづくり技術の未来が本当に楽しみですね。
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