リビングの主役であるテレビ市場に、新たな衝撃が走っています。雑貨や衣料の卸売で培った独自の企画力を持つドウシシャが、いよいよ本格的なテレビ事業への参入を表明しました。2019年11月11日の発表によると、自社開発の心臓部を搭載した4Kチューナー内蔵液晶テレビが、2019年11月中旬にベールを脱ぐことになります。
特筆すべきはその圧倒的な価格設定でしょう。40型モデルの想定店頭価格は60,000円前後となっており、国内大手メーカーの製品と比較して6割から7割程度という驚きの安さを実現しています。これほどの低価格でありながら、最新の超高画質放送を楽しめる「4Kチューナー」を標準装備している点は、賢い消費者にとって見逃せないポイントではないでしょうか。
SNS上では「ついに4Kがこの値段で買える時代が来たのか」「オリオンの名前が復活するのは嬉しい」といった驚きと期待の声が広がっています。安かろう悪かろうという不安を払拭するように、ドウシシャは2019年1月にオリオン電機から継承したAV機器の設計・開発部門をフル活用し、日本基準の品質管理を徹底する構えを見せています。
受け継がれる「オリオン」の魂と独自の技術力
今回の参入の背景には、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた需要の盛り上がりがあります。かつての名門、オリオン電機のDNAを「ORION」ブランドとして復活させる戦略は、非常に理にかなっていると感じます。単なる海外製品のラベル貼り替えではなく、基板や電源などの重要部品を自社開発することで、高い耐久性と信頼性を確保しています。
ここで重要になる「4Kチューナー」とは、従来のハイビジョンを遥かに超える高精細な映像信号を受信するための装置のことです。これを内蔵することで、外付けの機械を買い足す手間なく、2019年現在の最新映像体験をすぐに手に入れることができます。同社は中国企業などへ生産を委託することで、賢く製造コストを削減することに成功しました。
私は、このドウシシャの挑戦を日本の家電市場における「第3の選択肢」として高く評価しています。地上デジタル放送への完全移行が行われた2011年頃に購入されたテレビが、今まさに寿命や買い替え時期を迎えています。高機能な大手ブランドも魅力的ですが、実用性と価格のバランスを重視する層にとって、この新製品はまさに救世主となるでしょう。
ドウシシャはこれまでも、大ヒットしたかき氷器のように、消費者の「ちょっと欲しい」を形にする力に長けていました。2019年3月期の決算では自社開発商品が売上の半分を占めるまでに成長しており、今回のテレビ事業も2020年度には売上100億円超を見込む大きな柱へと育つはずです。今後の大型モデルの拡充からも目が離せません。
コメント