2019年10月の消費税増税を目前に控え、家電市場では駆け込み購入の動きが一段と激しさを増しています。特に注目すべきは薄型テレビの売れ行きで、2019年09月02日から2019年09月08日までの1週間における販売台数は、前年同時期と比較して77.4%増という驚異的な数字を記録しました。前回の増税時よりも30ポイント以上高い伸び率を見せており、消費者の「今のうちに買っておきたい」という熱量がダイレクトに数字へ表れているようです。
SNS上でも「高い買い物だから2%の差は大きい」「五輪に向けて4Kテレビを新調した」といった投稿が相次いでおり、増税というハードルが買い替えの強力な後押しとなっています。今回のブームの背景には、単なる節税意識だけでなく、2011年07月の地上デジタル放送への完全移行から約8年が経過したというタイミングも関係しています。家電の寿命とされるサイクルに差し掛かり、故障や性能不足を感じるユーザーが増えていることが、需要の底上げに寄与しているのでしょう。
さらに、映像美を追求した「4Kテレビ」の普及も大きな要因です。4Kとは、従来のフルハイビジョンに比べて4倍の高画素数を誇る高精細な映像規格を指します。最近ではこの4K放送を受信するための「4Kチューナー」を内蔵したモデルが充実し、価格も手ごろになってきました。こうした製品ラインアップの拡充に加え、ラグビーワールドカップの開催や来年に控えた東京五輪・パラリンピックへの期待感が、大型テレビへの買い替えを検討していた人々の背中を優しく、かつ力強く押しているのです。
パソコン市場も熱狂!Windows 7サポート終了が追い風に
テレビと並んで活況を呈しているのがパソコン市場です。直近の1週間では販売台数が72.2%増と急伸しており、前回の増税時を上回る勢いを見せています。パソコンの場合、以前は増税の直前になってから動き出す傾向がありましたが、今回も同様に9月に入ってから一気に加速しました。デジタル機器は日進月歩で進化するため、増税前のこのタイミングを最新機種へ乗り換える絶好のチャンスと捉える賢い消費者が増えている証拠だと言えるのではないでしょうか。
このパソコン特需をさらに加速させているのが、2020年01月に予定されている「Windows 7」のOSサポート終了です。OSとはコンピュータを動かすための基本ソフトのことで、サポートが終了するとセキュリティ更新が行われなくなり、ウイルス感染などのリスクが急激に高まります。この期限が迫っていることが増税前の駆け込みと見事に合致し、相乗効果を生んでいるのです。安全性と節約を同時に手に入れようとする動きは、非常に合理的で賢明な判断だと感じます。
一方で、増税後の市場冷え込みを懸念する声も少なくありません。過去の事例では、販売水準が元に戻るまでに数カ月の期間を要しました。しかし今回は、政府による「キャッシュレス・ポイント還元事業」といった消費刺激策が用意されています。増税幅が2%に留まっていることもあり、適切な対策が講じられれば、年末商戦の頃には再び活気を取り戻す可能性が高いでしょう。今後の家電マーケットがどのような変化を遂げるのか、編集部としても注視していきたいと考えています。
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