【2019年最新】チャットで社長と直談判?上場企業の「オンラインIR」が6割増と急増する理由

日本の株式市場に、今まさに新しい風が吹き抜けています。上場企業の間で、インターネットを通じて投資家と直接対話する「オンラインIR説明会」を導入する動きが爆発的に広がっているのです。IRとは「Investor Relations」の略称で、企業が株主や投資家に対して財務状況や経営方針を説明する広報活動を指します。これまでは都内の会場に足を運ぶのが一般的でしたが、その常識が2019年度、劇的な変化を迎えています。

IRコンサルティングを手掛けるイー・アソシエイツの調査によれば、2019年度にオンライン説明会を実施する企業は、味の素などを含む約40社に達する見通しです。これは2018年度と比較して約6割増という驚異的な伸び率を記録しています。2017年度までは年間10社程度にとどまっていた導入数が、なぜこれほどまでに急増しているのでしょうか。その背景には、企業が抱く「新しい投資家層」への切実な期待が隠されています。

スポンサーリンク

現役世代を狙い撃ち!スマホから経営陣にチャットで質問

企業がオンライン化を急ぐ最大の目的は、長期的な株主となってくれる「現役世代」の取り込みです。これまでは銀行や関連企業同士で株を持ち合う「政策保有株」が主流でしたが、近年はその解消が進んでいます。そこで企業は、仕事で忙しい20代から50代の個人投資家に注目しました。オンラインであれば、会社帰りや自宅のリラックスした時間でも、スマホ一つで経営陣の戦略に耳を傾けることが可能になるからです。

2019年9月の平日の夜、精密機器向け接着剤メーカーのデクセリアルズがオンライン説明会を開催し、大きな注目を集めました。オンライン形式の醍醐味は、配信映像を見ながらチャット機能でリアルタイムに質問ができる点にあります。「会場で手を挙げるのは恥ずかしい」と感じる層でも、テキスト入力なら気軽に本音をぶつけられます。SNS上でも「これなら地方にいても参加できる」「社長との距離が近く感じる」と、前向きな反響が続々と上がっています。

実際にその効果は数字にも表れています。会場を設ける従来型に比べ、オンラインでは1回あたりの参加者が5倍から10倍に膨れ上がることも珍しくありません。例えば、2019年11月12日の夜8時から開催されたNTTドコモの説明会には、なんと1073人が集結しました。広門治取締役に対し、「5Gは利益にどう貢献するのか」といった鋭い質問が相次ぎ、ネット越しとは思えない熱気に包まれたやり取りが展開されました。

加速する投資の民主化!今後のIRシーンはどう変わる?

2019年度は、豊田通商やソニーフィナンシャルホールディングスなどが新たにこの波に加わりました。さらに、2019年11月下旬以降はアコムや中外製薬なども実施を予定しており、IRのデジタルシフトは止まりそうにありません。私自身、この動きは「投資の民主化」を象徴する素晴らしい潮流だと確信しています。情報の非対称性が解消され、誰もが平等に企業の生の声に触れられる機会は、健全な市場形成に不可欠だからです。

これからの投資家は、ただ数字を見るだけでなく、経営者の表情やチャットへの回答姿勢から「企業の誠実さ」を判断するようになるでしょう。企業側もまた、ネット特有のスピード感や透明性に対応する柔軟さが求められます。場所に縛られない対話の形が定着することで、日本の個人投資家層がより厚くなり、市場全体が活性化していく未来がすぐそこまで来ています。2019年は、まさにその転換点として記憶される1年になるに違いありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました