老後の蓄えとして注目を集める確定拠出年金(DC)において、専用投資信託の存在感がいっそう高まっています。2019年10月には、その純資産残高が6兆円という大台を突破しました。これはわずか5年前と比較して約2倍という驚異的な伸び率であり、多くの方が将来を見据えた運用に本腰を入れ始めている証拠と言えるでしょう。
この成長を力強く牽引しているのが、複数の資産に分散して投資を行う「バランス型ファンド」です。バランス型とは、一つのカゴに卵を盛らず、国内外の株式や債券、不動産などに資金を割り振ることで、リスクを抑えながら着実な利益を目指す仕組みを指します。SNS上でも「管理が楽で初心者には心強い」といった、運用の手間を省ける点に魅力を感じる声が目立っています。
投資信託を選ぶ上で鍵となるのが、資産配分の構成です。一般的に、価格変動の激しい「株式」の比率が高ければ高いほど収益を追求するアクティブな性格になり、逆に「債券」などの比率が上がれば安定感が増す傾向にあります。自分自身がどの程度の変動までなら許容できるのか、その「リスク許容度」を見極めることが、長期投資を成功させるための第一歩になるでしょう。
収益性と安定性のバランスを追求する人気ファンドの動向
過去5年間の資金流入額で首位に輝いたのは、「分散投資コア戦略ファンドS」でした。この商品は株式や債券だけでなく、REIT(不動産投資信託)や金、原油といった幅広い資産を対象としています。REITとは投資家から集めた資金で不動産を運用し、賃料収入などを分配する仕組みのことで、インフレに強いという特性を持っており、非常に魅力的な選択肢です。
同ファンドは、株式や商品(コモディティ)といった比較的値動きの大きい資産の割合を75%未満に設定しています。単に守るだけでなく、攻めの姿勢も忘れない収益重視の設計が、より高いリターンを求める現役世代の支持を集めたのでしょう。ネット上では「これ一つで多角的な分散ができる」という利便性を評価する意見も多く、資産運用の要としての地位を固めています。
続く第2位には、国内外の株式と債券を半分ずつ組み入れる「マイバランス50」がランクインしました。この50対50という潔い比率は、投資の王道とも言える安定感を提供してくれます。ランキング上位には、株式比率を30%や70%に調整したシリーズ商品も並んでおり、自身の年齢やライフプランに合わせてカスタマイズする投資家が増えている様子が伺えます。
個人的な見解を申し上げれば、これほどまでにバランス型が選ばれている現状は、非常に健全な投資文化が育っている現れだと感じます。一攫千金を狙うのではなく、多様な資産に分散して「市場の平均点」を狙い続ける姿勢こそが、確定拠出年金の本来あるべき姿です。2019年11月21日現在のこの活況は、今後の日本人の資産形成において大きな転換点となるはずです。

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