元農林水産省構造改善局長であり、東京穀物商品取引所(東穀取)の元理事長を務められた森實孝郎(もりざね・たかお)氏が、2019年6月6日に享年88歳でご逝去されました。日本の農業行政と商品先物取引市場の発展に多大な貢献をされた、非常に功績の大きな方でいらっしゃいます。突然の訃報に接し、関係者の間には深い悲しみが広がっているでしょう。
森實氏は、農林水産省時代には構造改善局長という要職を歴任されました。構造改善局とは、農業経営の改善や、農地の整備など、日本の農業構造そのものをより効率的で強靭なものにするための政策を担う部署です。少子高齢化や国際競争の激化といった、当時の日本農業が直面していた様々な課題に対し、長期的な視点に立った施策を推進されていたことが推察されます。その行政手腕は、多くの関係者から高く評価されていたに違いありません。
退官後は、東京穀物商品取引所(東穀取)の理事長に就任され、商品先物取引市場の活性化にも尽力されました。商品先物取引とは、農産物や原油などの「商品(コモディティ)」を、将来の決められた期日に、あらかじめ定めた価格で売買することを約束する取引です。これは、生産者や消費者が価格変動リスクを回避するためのヘッジ機能を持つ重要な経済インフラであり、森實氏はこの市場の健全な発展と信頼性向上に貢献されたのです。
森實氏のご逝去の報は、SNS上でも「農水省時代にお世話になった」「東穀取での活躍が印象深い」といった追悼の声とともに拡散されています。特に、日本の食料安全保障や経済の基盤を支える分野での功績が大きかっただけに、その影響力の大きさがうかがえるでしょう。告別式は2019年6月13日午前11時から、東京都中野区中央2の33の3にある宝仙寺にて執り行われる予定です。喪主は奥様の総子(そうこ)さんが務められるとのことです。
私は編集者として、森實氏のような、行政と民間という両面から日本の経済基盤を支えてこられた方の存在は、非常に貴重だと考えます。政策の現場で培われた知見と、市場の最前線で求められる実務感覚を併せ持つリーダーシップは、現代にも通じる大切な教訓を与えてくれています。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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