インドネシアがニッケル輸出禁止へ!2019年、加速する「資源ナショナリズム」と日本の安定確保への挑戦

2019年11月12日、世界の資源市場に激震が走っています。主要な産出国であるインドネシア政府が、来年2020年1月からニッケル鉱石の輸出を全面的に禁止する方針を固めたためです。この動きは、自国の天然資源をそのまま売るのではなく、国内で加工・精錬することで付加価値を高めようとする「資源ナショナリズム」の現れと言えるでしょう。

ニッケルはステンレスの原料として不可欠なだけでなく、電気自動車(EV)の心臓部であるリチウムイオン電池の材料としても需要が爆発的に高まっています。今回の禁輸措置が市場の予想よりも前倒しで実施されることを受け、国際相場は2019年9月に約5年ぶりの高値を記録しました。まさに、次世代エネルギーを巡る資源争奪戦の火蓋が切られた格好です。

SNS上でも「EVシフトが進む中でこのニュースは痛い」「日本企業はどう動くのか」といった不安の声が広がっています。特定の国に依存しすぎることの危うさが、改めて浮き彫りになりました。私たちは今、官民が一体となってこの難局を乗り越えるための「資源の多角化」という大きな課題を突きつけられているのではないでしょうか。

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不安定な供給リスクと「脱・依存」への処方箋

現在のニッケル生産シェアを見ると、首位のフィリピンは環境規制で開発が難航し、3位のニューカレドニアも独立問題を抱え政情が不安定です。ここで言う「政情の不安定化」とは、国の政治状況が揺らぐことで、安定した輸出が突然止まってしまうリスクを指します。一箇所に頼り切る調達ルートは、日本の産業にとってあまりに脆い基盤と言わざるを得ません。

過去にはコンゴ民主共和国の政策変更でコバルト価格が跳ね上がり、中国もレアアースの輸出規制を外交のカードとして使った例があります。こうした資源を巡る駆け引きに対抗するには、相手国への技術協力による信頼構築や、粘り強い政府間対話が欠かせません。日本が持つ高い環境技術を鉱山開発に活かすことで、新たな安定供給先を開拓する攻めの姿勢が必要です。

私は、この危機を「技術大国・日本」を再定義する好機と捉えるべきだと考えます。資源が乏しい我が国が生き残る道は、少ない原料で高い性能を引き出す「省資源技術」の追求にあります。また、使用済み製品から金属を取り出す「都市鉱山」のリサイクル技術に磨きをかければ、国外の政策に振り回されない真に自立した循環型社会を構築できるはずです。

2019年、世界は自国第一主義の波にさらされていますが、資源問題こそ国際的な協力と独自の技術革新が試される分野です。目先の価格変動に一喜一憂するのではなく、中長期的な視点で「資源の安全保障」を確立すること。それこそが、将来の日本の産業競争力を守るための唯一の解答であると、私は確信しています。

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