中東の要衝トルコが、国際社会を揺るがす大胆な行動に打って出ました。トルコ内務省は2019年11月11日、拘束していた過激派組織「イスラム国(IS)」の米国人戦闘員1人の送還を完了したと発表しました。さらに驚くべきことに、ドイツ人やフランス人を含む20人以上の欧州出身メンバーについても、順次母国へと送り返す方針を明らかにしています。
トルコのソイル内相は2019年11月8日の時点で、拘束中の外国人メンバーを11日から出身国へ送還し始めると宣言していました。この動きの背景には、トルコが先月実施したシリア北部への軍事侵攻を巡る、欧米諸国との深い溝があります。当時、欧州各国はISの復活や戦闘員の逃亡を懸念し、トルコの行動を厳しく非難していましたが、今回の送還はその批判に対するトルコ側からの強烈な「しっぺ返し」とも受け取れます。
「引き取り拒否」の欧州を批判!エルドアン政権の狙いとは
内務省の発表によれば、2019年11月11日にはドイツとデンマーク出身の戦闘員2人を送還し、2019年11月14日にはさらに7人のドイツ人を送り返す予定です。さらにフランス人11人やアイルランド人2人の手続きも進められており、エルドアン大統領は現在約1150人ものISメンバーを拘束していると主張しています。トルコ側は、これらが法的手続きに則った正当な処置であることを強調しています。
ソイル内相は、欧州諸国がISメンバーの市民権を剥奪(はくだつ:権利を強制的に取り上げること)し、身柄の引き取りを拒んでいる現状を鋭く批判しました。SNS上では「テロリストを押し付け合う泥沼の展開だ」という困惑の声や、「自国民の責任を放棄する欧州も無責任ではないか」といった議論が巻き起こっています。国家間のエゴがぶつかり合い、安全保障がカードとして使われる現状には、強い危惧を抱かざるを得ません。
私個人の意見としては、テロリストの処遇という極めてデリケートな問題を外交の「武器」にするトルコの姿勢は、国際的な連帯を乱す危うい賭けに見えます。しかし同時に、自国の負担だけを強いる国際社会の歪みに一石を投じた形でもあります。2019年11月12日現在、シリア北部で拘束されたIS関係者の行方は、欧米諸国にとって頭の痛い難題として突きつけられており、今後の各国の対応がテロ対策の行方を左右することになるでしょう。
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