2019年10月の国内新車販売シーンにおいて、大きな地殻変動が起きています。自動車販売団体の最新データによれば、ホンダの看板車種「N-BOX」が26カ月連続で首位を守り抜きました。しかし、2019年10月1日に実施された消費税率の引き上げによる影響は無視できず、前年同月比で23.1%減少という厳しい結果になっています。SNS上では「増税直後の買い控えは予想通り」といった声が上がる一方で、ある一台の新型車に熱い視線が注がれています。
その主役こそ、2019年9月にフルモデルチェンジを果たしたトヨタの「カローラ」です。劇的な進化を遂げたこの名車は、ランキング全体で3位に食い込む大躍進を見せました。販売台数は1万1190台を記録し、前年比で29.5%増という驚異的な数字を叩き出しています。セダンタイプに加え、ワゴンモデルの「カローラツーリング」も投入され、発売から1カ月間の受注が目標の2.7倍に達するなど、まさに「カローラ復活」を印象付ける勢いです。
増税の反動減と「登録車」への救済措置
今回の市場環境を振り返ると、売れ筋モデルの多くが苦戦を強いられました。トヨタの「アクア」が52.3%減、日産の「ノート」が46%減と、主要車種が軒並みマイナスを記録しています。ここで注目すべきは「登録車」と「軽自動車」の違いです。登録車とは、排気量が660ccを超える一般的な自動車を指します。今回の増税では、この登録車の所有者が毎年納める「自動車税」を恒久的に減税する負担軽減策が導入されましたが、残念ながら軽自動車は対象外となりました。
こうした背景もあり、軽自動車のダイハツ「ミラ」が43.2%減となるなど、税負担の増大が販売に影を落としている印象を受けます。編集部としては、景気対策の恩恵を受けられる登録車と、生活の足として親しまれる軽自動車との間で、明暗が分かれ始めている点に懸念を抱いています。増税による家計への圧迫は、想像以上に消費者の購買意欲を慎重にさせているのかもしれません。10月はさらに台風19号の上陸という不運も重なり、客足が鈍った一因となりました。
輸入車市場の底力と11月以降の展望
輸入車に目を向けると、メルセデス・ベンツが56カ月連続でトップの座を維持しています。市場全体では21.8%減と4カ月ぶりのマイナスに転じましたが、アウディは新型モデルの供給が順調に進み、4.1%増と健闘しました。2014年の増税時は5カ月間もマイナス成長が続いた苦い記憶がありますが、今回は9月時点の駆け込み需要が比較的穏やかだったため、関係者の間では「反動による落ち込みも一時的なものではないか」という楽観的な見方も浮上しています。
アウディが投入した新型「A1」など、各メーカーは魅力的な新車を次々と発表しており、反動減を製品力で突破しようとする強い意志が感じられます。10月単月の数字だけでは増税の真の影響を測りきることはできませんが、11月の販売動向が今後のトレンドを占う重要な試金石となるでしょう。優れたクルマが正当に評価され、再び市場が活気付くことを切に願っています。編集部としても、新型車のポテンシャルが逆風を打ち消す瞬間を今後も追い続けます。
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