人生100年時代の新常識!認知機能低下に備える「賢い資産管理」と未来への処方箋

2019年11月13日、東京で「高齢化社会における資産管理」をテーマにした、非常に興味深いパネルセッションが開催されました。経済協力開発機構(OECD)東京センター所長の村上由美子氏を進行役に迎え、医学、グローバル経営、金融の各分野を代表するエキスパートたちが熱い議論を交わしています。人生100年時代と言われる今、私たちが向き合うべきは「お金の寿命」と「脳の健康」という切っても切れない関係です。

慶応義塾大学医学部教授の三村将氏は、近年の診療現場における変化を指摘されました。驚くべきことに、認知症の専門外来でありながら、健康な方の受診が増加しているというのです。これは、多くの人々が「いつまでも健やかで幸せに暮らしたい」という強い願いを抱いている証拠ではないでしょうか。単に長生きするだけでなく、車の運転や資産の管理など、自立した生活をいかに長く維持できるかが、これからの人生の質を左右する大きな鍵となります。

三村氏は、日本が保有する膨大な個人資産を、高齢者自身が「安全かつ積極的に運用する」重要性も強調されています。幸せな老後のためには、ただ貯めるだけでなく、お金を賢く使う発想が欠かせません。しかし、複雑な財産管理には高度な判断力が必要です。そのため、本人の意思が尊重される形で意思決定をサポートする仕組みづくりが、今まさに急務となっています。こうした専門家による提言は、多くの現役世代にも響く内容でしょう。

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世界の現実と「退職後教育」の必要性

続いて、海外の厳しい実情を語ったのは、コンサルタントのハリー・スモレンバーグ氏です。同氏によれば、世界的に年金制度は限界を迎えつつあります。米国では80代の元教師が、生活のために学生寮で働かざるを得ないケースも珍しくありません。マニュライフ生命の調査では、アジア太平洋地域において「貯蓄が尽きた後も数年生き続けなければならない」という深刻なリスクが浮き彫りになっています。

スモレンバーグ氏は、こうした不安を解消するために「退職後の生活をコントロール下に置くこと」が最優先だと説いています。退職した瞬間にどのような変化が起きるのか、あらかじめ学ぶ「教育」の場が必要だという視点は、これまでの日本には少なかった発想かもしれません。SNS上でも「老後への漠然とした不安がある」「もっと早くから金融教育を受けたい」という声が上がっており、主体的な学びの姿勢がこれからのスタンダードになるでしょう。

金融機関の目利きと「遺言」という愛情

三菱UFJ信託銀行の石崎浩二氏は、金融機関が果たすべき新たな役割について言及されました。対面営業を通じて顧客の認知機能の低下をいち早く察知することは、円滑な取引だけでなく、社会貢献としての意義も大きいという強い問題意識をお持ちです。特に日本人は、家族であってもお金の話を避ける傾向がありますが、石崎氏は「あらかじめの準備」こそが未来の自分と家族を守るとアドバイスされています。

具体的には、不要な口座の整理や資産一覧表の作成、そして「遺言」の活用が挙げられました。驚くべきことに、日本の遺言作成率は10%以下にとどまり、40%を超える米国と比べても大幅に低いのが現状です。認知機能がしっかりしているうちに運用方針を定め、書面に残しておくことは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、大切な家族を不要な混乱から守るための「究極の愛情表現」と言えるのではないでしょうか。

編集者の私としては、今回の議論は単なる高齢者問題ではなく、全世代に向けた「自由の守り方」だと感じました。自分の資産をどう動かしたいのかという意志は、早めに言葉にしておくべきです。SNSでの反響を見ても、こうしたオープンな議論が社会を動かす力になると確信しています。まずは使っていない通帳を一冊解約するところから、私たちの新しい「資産防衛」を始めてみませんか。

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