認知症と都市型高齢化の未来を拓く|2025年大阪・関西万博を見据えた日本の「解」と世界の共創

2019年11月13日、超高齢社会の最前線を走る日本で、医療と介護の未来を占う重要な総括セッションが開催されました。大阪大学大学院の澤芳樹教授は、人類ががんと心臓病を克服しつつある今、最後に残る大きな壁は「認知症」であると喝破しました。認知症とは、脳の病気や障害によって認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。澤教授は、2025年開催予定の大阪・関西万博において、50年後を見据えた解決策を提示することが日本の使命であると力強く語りました。

SNS上では「万博が単なるイベントではなく、社会課題の解決拠点になることに期待したい」といったポジティブな反応が広がっています。一方で、世界一の高齢化率を誇る日本の現状について、政策研究大学院大学の黒川清名誉教授は鋭い視点を提示しました。現在、日本の認知症ケアの40%が、家族などが無償で行う「インフォーマルケア」に頼っています。インフォーマルケアとは、専門職ではない家族や近隣住民による支え合いを意味しますが、これが過度な負担となっている現状は、早急に改善すべき課題といえるでしょう。

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都市化する高齢化問題と「通いの場」の可能性

今後の高齢化は、地方よりもむしろ東京などの大都市圏で深刻化すると、医療介護福祉政策研究フォーラムの中村秀一理事長は指摘します。2019年現在の統計では、人口のボリュームゾーンが都市部に集中しており、孤独を防ぐためのコミュニティー形成が急務です。そこで注目されているのが、高齢者が気軽に集まれる「通いの場」です。これは2017年には全国で9万カ所を超え、5年間で倍増しました。こうした場への参加率が10%向上すれば、要介護認定率が数%減少するというデータもあり、期待が高まっています。

私は、この「通いの場」の充実こそが、都市部での「孤立死」を防ぐ最後の砦になると確信しています。一方で、こうした活動に自ら足を運ばない層へどうアプローチするかが、行政と民間の腕の見せどころではないでしょうか。単に場所を作るだけでなく、IT技術を駆使して「外に出たくなる仕掛け」をデザインすることが求められています。世界中の国々が日本の背中を追っている今、私たちがモデルケースを作り上げる意義は極めて大きいと言わざるを得ません。

国境を越えた共創と次世代リーダーの育成

グローバルな視点では、ベトナムのグエン・ティ・ゴック・ラン氏やマーシャル諸島のカラニ・カネコ氏が、日本との連携に強い期待を寄せています。疾患に国境はありません。日本がこれまで「遠回り」をしながら蓄積してきた、小規模多機能型サービスや住民参加型のネットワーク構築という知見は、これから高齢化を迎える国々にとって「最高の教科書」になるはずです。日本の経験を他国へ共有することで、世界の医療の質を底上げする「グローバルパートナーシップ」が今、試されています。

こうした変革を担うのは、既存の枠組みに捉われない人材です。澤教授が提唱する「修羅場をくぐる起業家精神」や、黒川教授が勧める「海外での実体験」は、まさに今の日本に必要な活力です。エコシステム、つまり産学官が連携して共生する「生態系」を活性化させるには、若い世代が世界へ飛び出し、異なる価値観に触れることが不可欠でしょう。人が最大の財産であるという原点に立ち返り、2019年から始まる新たな日本の挑戦は、世界を救う一歩になると私は強く信じています。

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