トランプ氏がFRBに送り込む「ハト派」の刺客!利下げ加速でアメリカ経済と私たちの暮らしはどう変わる?

アメリカのトランプ大統領が、中央銀行の役割を持つ連邦準備理事会(FRB)の新しい理事として、ジュディ・シェルトン氏とクリストファー・ウォラー氏の2人を指名すると2020年1月16日に発表しました。このニュースは世界中の市場関係者の間で瞬く間に話題となり、SNSでも「いよいよトランプ氏が本気で利下げを迫ってきた」「今後の景気への影響が気になる」といった声が相次いでいます。

今回指名されたお二人は、いずれも金融緩和に対して非常に前向きな姿勢を示す「ハト派」として知られています。ここで言うハト派とは、景気を刺激するために金利を引き下げたり、市場にお金を多く流したりする政策を好むグループのことです。反対に、物価の上昇を抑えるために金利を引き上げる慎重派は「タカ派」と呼ばれます。トランプ大統領は自分と同じ方向を向いたメンバーを送り込むことで、さらなる利下げへの圧力を強めたい考えでしょう。

シェルトン氏は2016年の大統領選でトランプ陣営の経済顧問を務めた人物で、かねてより大幅な金利引き下げを強く主張しています。一方のウォラー氏はセントルイス連邦準備銀行の調査局長であり、積極的な金融緩和をいち早く訴えてきたブラード総裁の右腕として活躍してきました。このように強力な布陣を敷くことで、大統領は自身の経済政策をより強固に進める狙いがあるとみられます。

現在のFRBは、トップである議長を含めて本来は7人の理事で構成される仕組みですが、現在はそのうちの2つの席が空いたままです。2019年には7月以降に3回続けて金利が引き下げられましたが、FRBは「当面はこれ以上の追加緩和をしない」という方針をすでに示しています。しかし、金利をもっと下げて経済を活性化させたいトランプ大統領にとっては、この現状がもどかしくて仕方がなかったはずです。

もしこの2人が無事に就任すれば、FRBの話し合いの場で利下げを求める声が一段と大きくなるのは間違いありません。個人的な見解としては、大統領が中央銀行の人事にここまで介入し、自身のポピュリズム(大衆迎合)的な政策を押し通そうとする姿勢には危うさも感じます。中央銀行の最大の強みである「政治からの独立性」が揺らぐと、長期的な経済の安定が損なわれるリスクがあるからです。

実際にシェルトン氏は過去の取材に対し、中国を為替操作国に指定するための大統領令を準備した実績があると明かしており、その過激な言動から議会上院では就任を疑問視する声も根強く残っています。これまでもトランプ大統領が推薦した候補者が、スキャンダルなどで次々と辞退に追い込まれてきた歴史を振り返ると、今回の人事がスムーズに承認されるかどうかは、今後のアメリカ経済の行方を占う最大の焦点となるでしょう。

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