台風19号から1カ月。福島・茨城で拡大する農水産業の甚大な被害と再生への課題

記録的な暴風雨をもたらした台風19号が上陸してから、2019年11月12日でちょうど1カ月が経過しました。時間が経つにつれて全容が明らかになりつつありますが、福島県と茨城県における農林水産業への爪痕は、当初の予想を遥かに上回る深刻な事態となっています。

福島県が2019年11月8日までにまとめた集計によると、被害総額は600億円を突破しました。10月末の時点では約229億円と試算されていましたが、調査が進むにつれて被害額が跳ね上がった形です。丹精込めて育てられた農作物だけでなく、農業を支えるインフラそのものが破壊されています。

SNS上では「スーパーに並ぶ野菜の値段が心配」「福島の農家さんが一生懸命作ったお米や果物が台無しになって悲しい」といった、生産者を思いやる声や食卓への影響を懸念する投稿が相次いでいます。こうした消費者の不安は、被害の大きさを物語っていると言えるでしょう。

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福島県を襲った未曾有のインフラ被害

福島の被害内訳を詳しく見ると、農業用施設や家畜などの直接的な農業被害が約23億3400万円であるのに対し、農地や用水路、ため池といった「土木・施設系」の被害額が約525億3300万円と突出しています。これは、生産の土台そのものが消失したことを意味します。

用水路やため池は、田畑に水を供給するために欠かせない生命線です。これらが損壊したことで、来シーズン以降の作付けにも暗雲が垂れ込めています。また、林道や森林施設といった林業分野でも約69億1800万円の被害が出ており、山間部の経済にも大きな打撃を与えています。

個人的な見解を述べさせていただくと、単なる「作物の損失」以上に、代々受け継がれてきた「耕作の場」が失われたショックは計り知れません。復旧には莫大な時間と公的な支援が必要不可欠であり、私たちは被災地の産品を積極的に購入するなど、息の長い支援を続けるべきです。

茨城県でも台風15号を上回る記録的被害

茨城県においても、2019年11月5日までの推計で約76億3000万円という甚大な被害が報告されました。これは9月に発生した台風15号の被害額を上回る規模です。二つの台風を合わせた合計被害額は約136億8000万円となり、平成以降では歴代2位という異例の事態となっています。

特に深刻だったのは、那珂川や久慈川の氾濫による浸水被害です。水が引くまでに長い時間を要したため、浸水した農地や土地改良施設の被害額が急増しました。ここでの「土地改良施設」とは、農業の効率を上げるために整備されたポンプ場や排水路などの設備を指します。

自然災害は防ぎようがない側面もありますが、今回の被害規模を見ると、これまでの想定を超えた防災対策が急務であると感じざるを得ません。復興への道のりは険しいものですが、日本の食を支える福島・茨城の両県が再び活気を取り戻せるよう、社会全体で支えていく必要があるでしょう。

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