中東の情勢が、かつてないほどの緊迫感に包まれています。米国務省は2019年09月17日、ポンペオ国務長官がサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)を急遽訪問することを明らかにしました。今回の訪問は2019年09月17日から2019年09月19日までの強行軍であり、世界のエネルギー供給を揺るがした重大事件への対抗策を練ることが最大の目的となります。
焦点となっているのは、2019年09月14日に発生したサウジアラビアの石油施設に対する大規模な攻撃です。ポンペオ氏はサウジ西部の都市ジッダにて、同国の実権を掌握するムハンマド皇太子と会談を行う予定となっています。この会談では、攻撃の実行犯を特定するための最終的な情報の擦り合わせが行われる見通しであり、国際社会はその動向を固唾を飲んで見守っています。
SNS上では「ガソリン価格への影響が心配」「中東でまた大きな紛争が起きるのではないか」といった不安の声が広がっています。一方で「米国の出方次第で世界の勢力図が変わる」と、冷静な分析を試みる投稿も目立ちます。攻撃に使用された兵器の調査のために、米軍はすでに専門家を現地へ派遣しており、事件の全容解明に向けた動きを加速させているのが現状です。
イラン関与の疑いと米国の「硬軟両様」の戦略
ロイター通信が報じたところによれば、複数の米政府当局者は、攻撃がイラン南西部から巡航ミサイルと無人機(ドローン)によって実行されたとの見方を示しています。これに対し、イエメンの親イラン武装勢力フーシが犯行声明を出していますが、米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長はこの主張に否定的な考えを隠しません。
ここで「巡航ミサイル」とは、航空機のように翼とエンジンを持ち、地上の標的を精密に狙い撃ちする兵器を指します。また「無人機」は遠隔操作で攻撃を行う兵器であり、これらが組み合わされた高度な攻撃手法は、単なる武装勢力の仕業とは考えにくいという見解が強まっています。事実関係の把握を急ぐ米国の姿勢からは、決定的な証拠を突きつけようとする強い意志が感じられるでしょう。
2019年09月17日、ワシントンで講演したペンス副大統領は、イランが攻撃を通じてトランプ政権に譲歩を迫るつもりなら「それは失敗に終わる」と断言しました。米国は国益と友好国を守る準備が整っていることを強調しており、数日以内には具体的な対応策が決定される見込みです。力による抑止力を誇示しつつ、相手の出方を伺う緊迫した心理戦が続いています。
一方で、トランプ大統領の心中は複雑なようです。記者団に対し、イランのロウハニ大統領との会談の可能性を完全に排除しないとしつつも、消極的な姿勢を見せています。軍事的な衝突を避けたいという本音と、同盟国を守るための強硬な姿勢の間で揺れ動いているのでしょう。平和的な解決を望む筆者としては、この「硬軟両様」の駆け引きが最悪の事態を防ぐ防波堤になることを願うばかりです。
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