新潟県は、2019年6月5日から10日までの日程で、中国の大連(だいれん)市から観光客を積極的に誘致するため、県内を巡る大規模な視察ツアーを実施しています。今回の取り組みは、新潟の持つ豊かな魅力を現地関係者に直接体感してもらい、新しい旅行商品の企画・開発につなげるという、大変意欲的なインバウンド戦略の一環です。現地に拠点を置く旅行会社やメディアなど、総勢7社12名の関係者が招かれ、新潟の隠された魅力を探る旅に出ています。
新潟県がこのような視察ツアーを企画する背景には、インバウンド、すなわち外国人観光客の誘致を強化したいという強い思いがあります。新潟と大連の間には直行便が就航していないという地理的な課題があるため、一行はまず富山空港から日本に入国し、そこから時間をかけて新潟県内へ移動するというルートを取っています。手間をかけてでも、新潟が持つ独特な観光資源を知ってほしいという、県側の熱意が伝わってくるのではないでしょうか。
視察のコースは、新潟が誇る多様な観光地を網羅しています。佐渡市では、金の発掘体験ができる「西三川(にしみかわ)ゴールドパーク」や、歴史的な景観が残る船大工の集落「宿根木(しゅくねぎ)」を訪れ、佐渡島の文化と歴史に触れています。佐渡金山が「世界遺産」への登録を目指している今、その文化的価値を世界に発信する上で、今回の視察は極めて重要な機会になることでしょう。
また、新潟市では、豪農(ごうのう)、つまり江戸時代から明治時代にかけて大地主として栄えた伊藤家の邸宅である「北方文化博物館(ほっぽうぶんかはくぶつかん)」を訪れています。広大な敷地と壮麗な日本庭園は、日本の伝統的な富と美意識を伝える格好の場です。さらに十日町市(とおかまちし)では、近年、その幻想的な景観がSNSで「インスタ映え」すると大人気となった「清津峡(きよつがたけ)渓谷トンネル」も視察先に含まれています。清津峡の柱状節理(ちゅうじょうせつり)という独特な地質が生み出す迫力と、トンネル内部の芸術的な空間は、きっと大連の関係者にも強烈な印象を与えるに違いありません。
この視察ツアーがSNSでどのように反響を呼んでいるかというと、「富山空港経由という工夫に驚いた」「大連からの誘客は新しい視点だ」といった期待の声が多く見られます。新潟の魅力を知る現地旅行会社が、この視察を通じてどのような旅行商品を企画するのか、その成果が今から非常に楽しみです。ツアーは新潟県内だけでなく、7日には福島県の会津若松市も訪問する予定であり、広域的な周遊コースの開発も視野に入れていることがうかがえます。このような多角的なプロモーションによって、新潟県のインバウンド誘致はさらなる弾みをつけることでしょう。
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