【和製メジャーへの飛躍】国際帝石が挑むインドネシア巨大LNG「アバディ」プロジェクト:世界市場での存在感を高める戦略

日本のエネルギー大手である国際石油開発帝石、通称「国際帝石」が、インドネシア共和国での大型液化天然ガス(LNG)プラント建設に関し、同国政府との間で基本合意を結ぶ見通しであることが、2019年6月15日までに明らかになりました。このプロジェクトが実現すれば、オーストラリア連邦で進めている、日本主導のLNG事業「イクシス」と合わせた同社の権益ベース生産量が年間およそ1,200万トンという規模に達します。これは世界トップ10に入る水準であり、生産規模が価格交渉力を大きく左右するエネルギー業界において、「和製メジャー」として世界で戦える体制がいよいよ確立されることとなるでしょう。

国際帝石が開発を計画しているのは、インドネシア東部沖に位置する「マセラ鉱区」におけるアバディLNGプロジェクトです。総事業費はおよそ2兆円規模が見込まれ、2020年代後半の生産開始を目標としています。このアバディは、すでに総事業費4兆円を投じ、2018年に生産を開始したイクシスと並んで、同社の今後の成長を支える二本柱となる重要な位置づけであります。しかし、このプロジェクトに至るまでの道のりは非常に長く、複雑な経緯をたどってきました。

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紆余曲折を乗り越えた「アバディLNG」開発

同社がマセラ鉱区の権益を取得したのは1998年までさかのぼりますが、開発方式をめぐって同国政府との間で調整が難航しました。具体的には、コストを抑えられる「洋上プラント」とするか、それとも地域の雇用創出や経済振興に貢献する「陸上プラント」とするかで意見が対立したのです。国際帝石は2016年に洋上での開発計画を提出しましたが、政府に差し戻され、計画が白紙に戻るという事態になりました。長年の調整を経て、ようやく基本合意にこぎつけましたが、当初の計画と比べると稼働目標が10年近く遅れており、この間に失われた時間は非常に大きいと言わざるを得ません。

今後は、生産期間や投資金額の具体的な詳細について詰めの作業に入ります。特に大きな課題として挙げられるのが、マセラ鉱区の権益契約が2028年11月に期限を迎えることです。一定期間の延長は可能であるものの、どの程度の期間を延長できるかによってプロジェクトの収益性が大きく左右されます。国際帝石としては、より長期の権益を保有できるようインドネシア政府へ働きかけていく方針を示しています。

世界を射程に入れた「LNGメジャー」入りへの期待

アバディLNGプロジェクトに目途が立ったことは、国際帝石が世界的なエネルギー企業としての地位を固めるうえで、極めて大きな意味を持ちます。イクシスプロジェクトは、日本のLNG総輸入量のおよそ1割に相当する年間890万トンの生産能力を有しており、同社はそのうち590万トン分の権益を保有しています。これにアバディのLNGプロジェクトが加わることで、権益ベースの年間生産量は約1,200万トン規模となり、欧米の巨大エネルギー企業が主導する「LNGメジャー」の仲間入りを果たすことになるのです。

権益ベースで年間およそ4,000万トンを誇る、英蘭のロイヤル・ダッチ・シェルや米国のエクソンモービルといった国際的な大手企業に比べれば、その背中は依然として遠いものの、国際帝石の生産量は現在の世界15位程度からトップ10以内へ躍進することになります。また、同社はこれまで大規模なLNGプロジェクトにおいて操業主体として手掛けた実績が乏しいため、今回のプロジェクトでしっかりと成果を出すことができれば、今後の新たな権益獲得交渉において有利な立場となることが期待されます。

低炭素社会への移行を支えるLNG市場の活況とSNSの反響

世界中で地球温暖化対策として二酸化炭素(CO
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)の排出量が少ない燃料への移行、すなわち低炭素化の動きが加速しているなか、LNGを燃料とする火力発電の需要は世界的に高まっています。これは、天然ガスを零下162°Cまで冷却して液化させたLNGが、他の化石燃料に比べて燃焼時の$\text{CO}_2$排出量が少ないためです。世界の大手企業も動いており、例えばフランスのトタル社は、2019年5月から米国で年間1,350万トン規模の巨大LNGプラントでの生産を開始するなど、市場は活況を呈しています。

このような膨張するLNG市場で国際帝石が確固たる存在感を高めるためには、アバディでの取り組みはまさに試金石となるでしょう。SNS上では、この基本合意のニュースに対して「日本のエネルギー企業が世界で戦えるようになるのは心強い」「長期にわたる交渉がお疲れ様です。日本の国益にも繋がって欲しい」といった、和製メジャーの実現に向けた期待や応援の声が多く見受けられました。国際帝石がこの重要なプロジェクトを成功させることで、日本のエネルギー安定供給と、世界的な低炭素社会への貢献がさらに進むことを期待せずにはいられません。

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