日本のエネルギー開発を牽引する国際石油開発帝石(INPEX)は、2019年6月14日、インドネシア共和国政府との間で、非常に大きなプロジェクトに関する基本合意に至ったことが明らかになりました。それは、総事業費がおよそ2兆円という壮大なスケールを誇る、液化天然ガス(LNG)プラントの建設事業です。この「アバディLNGプロジェクト」は、日本の企業が操業の主体となるLNGプラントとしては、国内最大規模となる年産約950万トンの生産能力を持つ計画であり、その実現に向けて大きく前進しました。
この歴史的な合意は、2019年6月16日にも国際帝石と同国政府との間で、正式な開発合意書への署名と発表が行われる見込みとなっています。プロジェクトの舞台となるのは、インドネシア東部沖に位置する「マセラ鉱区」です。国際帝石は1998年にこの鉱区の権益を取得して以来、長期にわたって開発の可能性を追求してきました。現在、国際帝石が65%の権益を保有し、残り35%は英蘭のエネルギー大手であるロイヤル・ダッチ・シェルが保有する体制で、国際帝石が中心となって事業を推進していくことになります。
このプロジェクトの最終稼働は2020年代後半を目指しているとのことで、生産されたLNGは、日本国内向けに供給されるのはもちろんのこと、アジア地域全体、特に米国との対立が深まる中でLNGの調達先を多角化したい中国への販売も視野に入れています。東アジア・東南アジアは経済成長に伴いエネルギー需要が急増しており、この巨大プロジェクトはアジアのエネルギー供給の安定に大きく貢献するでしょう。これは、資源の乏しい日本にとって、エネルギー安全保障の強化にも繋がる大変意義深い取り組みだと言えます。
実は、このプロジェクトはこれまで計画の見直しを余儀なくされてきました。当初、国際帝石はコスト効率の良い「洋上プラント」、つまり海上に建設する設備を前提とし、2020年頃の早期稼働を目指していました。しかし、2016年にインドネシア政府の方針が変わり、より雇用創出効果が高い「陸上プラント」の建設へと計画の変更を通告されたのです。この変更により、国際帝石は計画の抜本的な練り直しを迫られましたが、今回、見直された陸上案に基づいた合意がなされることで、事実上、この巨大プロジェクトの実施が正式に決定する形になります。今後は、事業規模などの詳細を詰める段階へと移行し、いよいよ具体的な建設準備へと動き出すことになります。
和製メジャーとしての躍進と期待される効果
国際帝石は、すでに2018年にはオーストラリアで、これまた巨大なLNGプラントである「イクシス(Ichthys)」の生産を開始しています。イクシスは総事業費約4兆円というメガプロジェクトであり、日本企業として初めて、大規模なLNG開発を主導したという点で画期的なものでした。今回のインドネシアでのアバディLNG事業と、このイクシス事業を合わせると、国際帝石が持つ権益ベースのLNG生産規模は、年間およそ1200万トンという規模に達します。これは、国際的なエネルギー開発企業である「メジャー」に匹敵する水準であり、「和製メジャー」として日本のプレゼンスを世界に示す、有数のLNG開発会社となることを意味していると言えるでしょう。
この報道を受けて、SNS上では「エネルギー資源の確保は国策として重要」「INPEXが日本の代表として世界で活躍するのは頼もしい」といった、プロジェクトの意義を評価する声が多く見受けられます。また、「2兆円規模はすごい」「長期的な利益に期待したい」など、事業規模の大きさや将来性に対する反響も目立ちました。国際帝石のこのような積極的な海外事業への取り組みは、日本のエネルギー産業の国際競争力を高め、アジアをはじめとする世界経済の発展に貢献する可能性を秘めています。国内の製造業や技術力を活かした参画も期待でき、経済波及効果も大きいものとなるに違いありません。
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