アパート建設・賃貸大手のレオパレス21は、2019年6月3日までに、宮尾文也新社長が日本経済新聞社の取材に応じ、2020年3月期においては新規のアパート受注に関する営業活動を停止するという、極めて重要な方針を明らかにしました。これは、同社が抱える深刻な**「施工不良問題」**、すなわち建築基準法などに違反する恐れのある不備がアパートの建物に見つかった問題の解決を最優先するためです。この決断は、会社の信頼回復と事業継続に向けた、避けられない一歩であると私は考えます。
この施工不良問題は2018年春に表面化し、国土交通省(国交省)から同年10月までの改修工事完了という行政指導を受けています。しかし、取材時点では、改修を終えた物件はまだごく一部にとどまっており、問題の収束に向けた道のりは依然として厳しい状況です。宮尾社長は、この問題への対応を最優先課題として取り組み、今期中は新規の**地主(土地所有者でアパート経営を検討する顧客)**開拓をせず、**既存のオーナー様(既にレオパレス21と契約している地主)**への対応に注力するとしています。事実上、2019年2月から新規のアパート営業は停止しており、市場の環境を見極めながら、来期以降の再開を検討する見通しです。
この報道を受け、SNS上では「ようやく本腰を入れたか」「英断だ」といった前向きな評価や、「遅すぎる対応ではないか」「経営への影響が心配」といった厳しい意見まで、大きな反響がありました。特に、施工不良の対象となったアパートの入居者やオーナーからは、改修の進捗に対する関心と不安が寄せられています。会社側が誠意をもって問題解決に専念する姿勢を示すことは、失われた信頼を回復するための最低限の義務であると言えるでしょう。
改修工事の進捗と入居率回復への見通し
改修工事の進捗については、国交省と調整した工事の手法が、地方自治体(各都道府県や市町村の建築指導担当部署)によっては認められないケースが発生しており、完了時期に影響が出る懸念があるようです。例えば、天井の強度を高めるために梁や補強材を追加する**「張り増し」を提案しても認められず、天井全体を交換する「全面張り替え」を実施した事例もあるといいます。これは、建築基準や安全性の判断が自治体ごとに異なること、また、「建築基準法」**という建物の安全性を守るための法律に基づいた厳格な審査が行われているためで、改修工事の協議に時間がかかってしまうのも事実でしょう。宮尾社長は、こうした状況にも「真摯に対応している」としつつも、同年10月までの完了に向けてしっかり取り組む決意を改めて示されました。
改修工事の遅れは、当然ながら入居率の回復にも影響を及ぼします。施工不良が発覚した物件では、入居者の安全確保のため、一時的に募集を停止していました。社長は、**「今期中に入居者の募集をすべての物件で再開できる状況を整える」という目標を掲げています。具体的には、アパート賃貸の最も需要が高まる「繁忙期(2月~3月)」に合わせて募集が再開できれば、問題発覚前の93%という高い入居率に戻せる可能性があると考えているようです。問題発覚によって「売れない在庫」**となっていた物件の早期改修と市場投入が、経営再建の鍵を握っていると言っても過言ではないでしょう。
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