【ちいきん会in福島】金融庁長官も私服で本音トーク!地域活性化の常識を打ち破る「手弁当」の熱狂

2019年11月09日、福島市の会場はこれまでにない熱気に包まれました。金融機関の職員や自治体職員が垣根を越えて集う交流会「ちいきん会」が、初の地方開催を敢行したのです。金融庁の有志がボランティアで運営するこの集まりは、飲食も参加者が持ち寄る「手弁当スタイル」という非常にユニークな運営形態をとっています。

驚くべきはその集客力でしょう。過去に東京で開催された際は200名規模でしたが、今回は東北や関東、さらには四国からも参加者が駆けつけ、約380名という過去最大の熱狂を生み出しました。SNS上でも「これからの地域金融を変える力がここにある」といった、期待に満ちた声が数多く寄せられており、その注目度の高さがうかがえます。

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肩書を脱ぎ捨てた「本音」が組織の壁を溶かす

会場で最も印象的だったのは、参加者全員が「私服」で参加している点です。主催者は冒頭で、役職や立場にとらわれない「本音の議論」を強く呼びかけました。地域経済を支えるプロたちがスーツを脱ぎ捨てることで、組織の論理に縛られない自由なアイデアが飛び交う土壌が整えられたといえるでしょう。

パネルディスカッションでは、金融庁の遠藤俊英長官や東邦銀行の北村清士頭取に加え、銀行員でありながら映画監督としても活躍する香西志帆氏が登壇しました。香西氏が語る「盆栽たいそう」やハリウッドでの受賞エピソードには、会場の金融マンたちも息を呑みます。複数の肩書を持つ生き方が、これからの地域貢献には不可欠なのだと確信させられました。

こうした「パラレルキャリア」の重要性について、遠藤長官は「個人の自由な発想が組織の生産性を高める」と同調します。パラレルキャリアとは、本業を持ちながら第二の活動に従事することを指し、金融庁自身もこうした柔軟な組織づくりを推進しているとの説明がありました。もはや行政や金融も、これまでの常識に安住してはいられません。

伴走型支援で挑む地域経済の再構築

地域活性化を巡る行政のスタンスも劇的に変化しています。遠藤長官は、かつての「上から目線の監督」から、企業の課題に共に立ち向かう「伴走型支援」を応援する立場へと転換したことを明かしました。金融機関自らが地域の課題に気づき、主体的に動くことを促すために、国も全力で助言を惜しまない構えです。

後半のグループ議論では、事業承継や人材育成といった13のテーマで熱い火花が散りました。事業承継とは、企業の経営権や理念を次世代に引き継ぐ重要なプロセスですが、ここでは「顧客に本気でダメ出しができる関係か」といった、現場の厳しい現実に基づいた議論が展開され、参加者は身を乗り出して耳を傾けていました。

低金利や人口減少という逆風の中、金融機関の収益確保は容易ではありません。しかし、編集者の視点から見れば、このように組織を越えた「本音のつながり」こそが、停滞した地域を動かす最強のエンジンになると感じます。互いに手の内を明かし、共に悩むことからしか、真のイノベーションは生まれないのではないでしょうか。

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