中部企業の2019年上期決算を分析!内需関連が躍進する一方で製造業に忍び寄る影とは?

2019年11月21日現在、中部地方を拠点とする主要企業の2019年4月〜9月期(上期)決算が出揃いました。全体の経常利益は前年同期と比べて2%の減少となっており、米中貿易摩擦の激化や円高といった厳しい外部環境が影を落としています。

SNS上では「地元企業の踏ん張りに期待したい」という声がある一方、世界経済の不透明感に対する不安も広がっているようです。こうした逆風の中でも、通期予想に対する「利益進捗率」に注目すると、特定の業種が力強い数字を叩き出していることが分かります。

利益進捗率とは、年間の目標利益に対して現時点でどの程度稼ぎ出したかを示す指標です。通常、上期を終えた時点で50%を超えていれば順調と判断されますが、今回の中部企業全体の平均値は55%に達しており、数字の上では堅調な滑り出しを見せています。

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内需を支えるインフラと増税前の駆け込み需要

特に高い進捗率を見せたのは、私たちの生活に密着した内需関連の企業です。東邦ガスや中部電力は、輸入燃料の価格変動を適切に料金へ反映させる仕組みによって、安定した収益を確保しました。インフラ企業の底堅さが、地域経済を支える柱となっているのでしょう。

また、2019年10月の消費増税を前にした「駆け込み需要」も大きな追い風となりました。インターホン大手のアイホンは、集合住宅向けの更新需要を見事に取り込み、進捗率74.1%という驚異的な実績を記録しています。

コンタクトレンズのメニコンも、月額制というストック型のビジネスモデルが功を奏し、安定して会員数を伸ばしている点が印象的です。景気に左右されにくい仕組みを構築している企業こそが、今の不確実な時代を生き抜く強さを持っているのだと感じさせられます。

製造業の「高い進捗率」に潜む懸念材料

一方で、アイシン精機やFUJIといった自動車・機械関連の企業も上位に名を連ねていますが、これには少し注意が必要です。実はこれらの企業の多くは、中国市場の減速を受けて通期の業績予想を下方修正しており、分母となる目標値が低くなっています。

その結果、計算上の進捗率が一時的に高く見えている側面があり、2019年10月以降の下期については、一段のブレーキがかかると予想する見方が大勢を占めています。製造業が牽引してきた中部経済にとって、この先は正念場を迎えることになるでしょう。

対照的に、矢作建設工業やリンナイなどは現時点の進捗率が低めですが、これは工事の完成や製品需要が年度末に集中する業界特有の季節性によるものです。数字の表面だけではなく、各業界の特性を見極めることが、投資やビジネスの現場では極めて重要です。

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